フルタイムで働くことを辞めたら、体力にも余裕ができるだろうと考え、資格を取ろうと考えるわけです。
次の就職では、夜勤をしたくない。日勤で働きたい。と希望する場合、ケアマネの資格を持っていると、転職時の強みになります。年を重ねてから、ケアマネとして活躍されている看護師や独立も視野にいれて資格を取得する看護師もいます。
決して簡単に取れる資格ではありませんが、今後、超高齢化社会にむかっていく社会では、ケアマネの資格は需要が大きいといえます。
この記事を読むと、ケアマネの仕事内容とケアマネの試験を受ける時に必要な書類がわかります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどんな仕事か
介護を受ける要介護者や要支援認定を受けた人の、心身の状況に応じて適切な介護サービスを利用できるよう相談に応じたり市町村や事業所との連絡・調整する専門職です。
ケアマネージャーの資格は国家資格ではありません。
各都道府県が認定する公的資格になります。
看護師がケアマネジャーを取得するための条件
看護師がケアマネージャーを取得するには、年に1回しか試験がないため、計画的に進めていくことが必要となります。申し込み期間は都道府県によって異なるので調べてください。
ケアマネージャー試験の受験資格
介護支援専門員実務研修受講試験を受けるには、保健・医療・福祉分野で通算5年以上かつ従事日数900日以上の実務経験を有する必要があります。看護師の資格をもっていれば、5年以上かつ従事日数900日以上あれば受験資格があるということです。
ケアマネージャー試験の必要書類
試験を受けようと決めたら必要な書類を取り寄せましょう。
試験は職場のある都道府県で受験するのが基本です。
申込書:各都道府県の実施団体や市町村社会福祉協議会などでうけとれます。
申し込み期間:5月から7月に行われます。各自治体のホームページを早めに見ておきましょう。
実務経験証明書:法人の代表者、事業所・施設長などが発行したものであること。証明者の公印が押された原本であること。退職後は務めていた病院に連絡して取り寄せが必要です。必要な書類と返信用の封筒に切手をはって同封します。
受験金額:都道府県によって受験料がちがいます。
ケアマネージャー試験の難易度
2024年の試験日は10月13日(日)となっています。
第26回(2023年)のケアマネ資格試験の合格率は21.0%。
(参照:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00010.html)
受験者数 | 56,494名 |
合格者 | 11,844名 |
ケアマネは誰でも取得できるものではありませんが、超高齢化は社会にともなう介護人材の需要が加速していることもあり、年々受験者数が増加しています。
ケアマネの資格を取得すれば、看護師の知識やスキルだけでなく、介護に関する知識やスキルもあることが客観的に証明できます。
合格後に介護支援専門員実務研修を修了する必要がある
研修は集合研修13日間と実習3日間程度あります。
研修の費用として、事務手数料とテキスト代が必要です。
すべてのカリキュラムを受講しなければ、研修を修了できないので、注意が必要です。
ケアマネジャーの主な仕事内容
ケアマネージャーの仕事内容について説明します。勤務先によって仕事内容がことなることがありますが、主な業務に大きな違いはないでしょう。
ケアプランの作成・管理
利用者の日常の様子や健康状態、介護の必要度を観察し、適切な看護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。
利用者や家族の希望を反映させながら、最適なプランを提案します。
介護事業者との連携と調整
介護サービス提供者との連絡や調整し、サービスが円滑に提供されるように、サポートします。
医療機関との連携
ケアマネージャーは医療と介護のつなぎ役として重要な役割があります。
利用者の生活や健康状態の把握と、必要に応じた医療機関にサポートの要請を行います。また、退院時に医療機関から情報を収集し、自宅や施設で安心して成果できるように支援します。
医療機関のスタッフとの連絡を書面や電話で行います。
介護保険の給付管理
介護保険の給付管理を行い、サービス利用の調整や費用の管理を調整します。
利用者負担金の計算や請求書の確認も行います。
介護の相談があった時の対応
利用者や家族からの相談に随時対応します。介護保険制度や地域の福祉サービスについて情報提供を行います。
必要に応じて、医療機関利用者の生活や健康状態の適切な行政機関との連絡調整も行います。
要介護認定の申請代行
要介護者やその家族に代わって、介護保険の認定申請手続きを行うサービスです。必要な書類の作成や提出、認定結果の確認などをサポートします。
要介護認定の聞き取り調査
介護認定の聞き取り調査は、要介護認定の判断に必要な情報を収集し、整理・評価する重要なプロセスです。この調査は通常、市区町村の職員が行いますが、専門知識をもつ調査員が委託されることがあります。
ケアマネージャーが活躍する職場
居宅介護支援事業所
利用者の自宅を訪問し、介護サービスの利用を支援する。1人あたり35件程度の利用者を担当します。
ケアプランの作成、サービス担当者会義の開催、モニタリングなどを行います。
入居型介護施設
施設に入居している高齢者のケアプランを作成する。1人あたり100件程度担当することが多いでしょう。
管理業務や介護業務を兼任するケースもあります。
地域包括支援センター
地域の高齢者の総合相談や介護予防ケアマネジメントを担当します。行政や医療機関との連携が求められる。地域全体の介護支援体制づくりにかかわります。
ケアマネージャーになるための勉強方法
試験で出題される分野は、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野の2種類です。
介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問の合計60問です。
出題範囲 | 問題数 |
介護支援分野 介護保険制度の基礎知識 要介護認定等の基礎知識 居宅・施設サービス計画の基礎知識等 | 25問 |
保健医療福祉サービス分野 保健医療サービスの知識等 福祉サービスの知識等 | 20問 15問 |
合計 | 60問 |
解答はマークシート方式になっています。
ケアマネージャーを目指すための勉強方法
ケアマネジャーの試験を受けるには、まずしっかり自分に合ったスケジュールを、余裕をもって立てることから始めます。
合格率も低く、年に1回しか試験がないため、できる限り無駄にしたくありません。
独学で勉強する
計画的に勉強すれば、独学でも合格できる可能性はあります。
合格に必要な時間は100から200時間といわれています。
テキストや過去問を購入して学習を進めていくため、費用が抑えられるというメリットがあります。
デメリットはモチベーションを保つのが難しいことです。
わからないことは自分で調べて勉強しなければいけないため、意思が弱いと挫折してしまいます。
通信講座を受講する
どうやって勉強を進めていけばわからない人にはお勧めです。
勉強のモチベーションも独学よりは保ちやすいといえます。
わからないことを質問でき、早く解決できます。
教材は独自のわかりやすいものになっていたり、模試試験などがあり添削をうけられることも魅力といえます。
教育訓練給付制度を使用できる条件にあてはまれば、利用することで最大20%が支給されます。
まとめ
ケアマネージャーの資格は簡単に習得できる資格ではありませんが、今後、高齢化社会や在宅看護が増えると予想されている現在では、取得すれば、仕事の幅が広がり、転職時には強みになります。
年に1回しか試験がないため、計画的に進めていく必要があります。独学でも可能ですが、仕事をしながら資格を取得するのであれば、通信講座がおすすめといえます。