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【認定看護師と専門看護師の違いは?】仕事内容やキャリアパスを徹底比較

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  • 専門看護師や認定看護師を目指すべきか迷っている
  • 専門看護師と認定看護師の違いがよくわからない
  • 自分に向いている資格が判断できない

キャリアアップのために、専門看護師や認定看護師の資格取得を考える人は多いです。この記事では、専門看護師と認定看護師の違いを多角的に比較し、詳しく解説します。記事を読めば、専門看護師と認定看護師の違いがわかり、自分に適した資格の判断が可能です。

専門看護師と認定看護師は、求められる役割や資格取得の条件が異なります。専門看護師は高度な知識と実践能力が求められ、認定看護師に求められるのは、特定の看護分野でのスペシャリストの役割です。

専門看護師と認定看護師の基礎知識

専門看護師と認定看護師は、看護師のキャリアアップにおいて重要な役割を担う高度な専門資格です。以下の2つの資格について、詳しく解説します。

  • 専門看護師の定義と種類
  • 認定看護師の定義と種類

専門看護師の定義と種類

専門看護師とは、日本看護協会が認定する上位資格です。特定の専門分野で優れた看護実践能力を持つ看護師に与えられます。専門看護師は、14の分野と6つの重要な役割があります。

専門看護師の14の分野については、以下のとおりです。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 母性看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性・重症患者看護
  • 感染症看護
  • 家族支援
  • 在宅看護
  • 遺伝看護
  • 災害看護
  • 放射線看護

役割は実践、相談、調整などがあります。専門看護師になるには、修士課程を修了し、5年以上の実務経験が必要です。専門看護師認定審査に合格する必要があり、資格取得後は、医療施設や教育機関で活躍できるのが特徴です。

資格は、常に最新の知識と技術を維持するため、5年ごとに更新しなければなりません。専門看護師の役割は、チーム医療のキーパーソンとして重要です。

認定看護師の定義と種類

認定看護師は、看護の特定分野において高度な知識と技術を持つ看護師を指します。日本看護協会が認定する資格であり、19の分野が存在しています。以前は21分野ありましたが、制度改正により19分野に整理されました。

19の分野は以下のとおりです。

  • 救急看護
  • 皮膚・排泄ケア
  • 集中ケア
  • 緩和ケア
  • がん化学療法看護
  • がん性疼痛看護
  • 訪問看護
  • 感染管理
  • 糖尿病看護
  • 不妊症看護
  • 新生児集中ケア
  • 透析看護
  • 手術看護
  • 乳がん看護
  • 摂食・嚥下障害看護
  • 小児救急看護
  • 認知症看護
  • 脳卒中リハビリテーション看護
  • 慢性心不全看護

認定看護師の主な役割は、実践、指導、相談の3つです。認定看護師になるには専門的な研修を受け、認定試験に合格する必要があります。資格は5年ごとに更新が必要です。認定看護師は、チーム医療において重要な役割を果たし、患者や家族のケアに大きく貢献します。

専門看護師と認定看護師の主な違い

専門看護師と認定看護師の違いは、主に以下の4つです。

  • 特定分野の違い
  • ケアする対象の違い
  • 求められる役割の違い
  • 資格取得難易度の違い

自分に適したキャリアパスを選択するために、違いを理解しておきましょう。

特定分野の違い

専門看護師と認定看護師では、扱う分野が大きく違います。専門看護師は14分野、認定看護師は19分野と、それぞれが異なる特定分野を持っています。専門看護師の分野はがん看護や精神看護、地域看護など広範囲にわたり複雑です。

認定看護師の分野は、救急看護や皮膚・排せつケア、感染管理など実務的な内容に特化しています。専門看護師は包括的なケアを提供し、研究や教育にも重点を置きます。認定看護師は特定の症状や処置に焦点を当て、実践的なスキルを重視する場合が多いです。

両者の特定分野には明確な違いがあります。専門看護師はより抽象的で広範囲な分野、認定看護師はより具体的で実務的な分野です。

ケアする対象の違い

専門看護師と認定看護師では、ケアの対象が違います。専門看護師は、より広範囲で包括的なケアを提供し、患者や家族だけでなく、医療スタッフ全体をケアの対象としています。認定看護師は主に患者と家族中心にケアを行い、特定の看護分野における個別のケアに焦点を当てているのが特徴です。

専門看護師は組織全体の看護の質向上を目指すのに対し、認定看護師は個別の患者ケアの質向上に注力します。ケアの対象や範囲に違いがあるので、自分の適性や目指す方向性に合わせて選択しましょう。

求められる役割の違い

専門看護師と認定看護師では、求められる役割に大きな違いがあります。専門看護師は、組織全体の看護の質向上を目指す立場にあり、より広範囲な視点で医療チームをリードする役割を担います。認定看護師は直接的なケアの質向上に重点を置き、特定分野のスペシャリストとして、実践的な指導が必要です。

専門看護師には以下のような役割があります。

  • 高度な看護実践
  • コンサルテーション
  • 調整
  • 倫理調整
  • 教育
  • 研究

認定看護師の主な役割は次のとおりです。

  • 特定の看護分野における熟練した看護技術の提供
  • 専門知識にもとづく指導
  • 相談対応

専門看護師は、より広い視野で組織全体を見渡す立場です。認定看護師は、特定分野での実践的なケアに重点を置いています。

資格取得難易度の違い

専門看護師と認定看護師の資格取得難易度は大きく違い、専門看護師の方が取得難易度が高いです。資格を取得する際の具体的な違いは、以下のものがあります。

  • 学歴要件
  • 試験合格率
  • 求められる能力
  • 取得までの期間

専門看護師は修士課程修了が必要で、試験合格率は30〜40%です。高度な研究能力が求められ、取得までに長期間を要します。認定看護師は800時間の教育課程と1年以内の研修が必要で、試験合格率は70〜80%です。実践的なスキルが重視され、比較的短期間で取得できます。

専門看護師と認定看護師になる条件の違い

専門看護師と認定看護師になるための条件の違いについて解説します。

専門看護師に必要な条件

専門看護師になるには、看護師免許の取得と5年以上の実務経験が求められ、5年のうち3年以上は専門分野での経験が必須です。具体的な条件は、以下のとおりです。

  • 大学院修士課程(専門看護師教育課程)を修了する
  • 日本看護協会の認定試験に合格する
  • 特定分野の高度な知識と技術を習得する

専門看護師には研究能力や教育能力、リーダーシップスキルや倫理的判断力、多職種連携能力も求められます。専門看護師の資格を取得した後も、継続的な自己研さんが必要です。資格の更新に伴い、最新の知識や技術の維持も求められます。条件を満たすと、高度な看護実践能力を持つ専門看護師として認められます。

ただし条件が厳しいため、取得には長期的な計画と努力が必要です。専門看護師を目指す人は、資格の条件を十分に理解し、計画的に準備を進めましょう。

認定看護師に必要な条件

認定看護師になるには、看護師免許を取得してから5年以上の実務経験が必要です。5年の実務経験のうち、特定の看護分野で3年以上の実践経験を求められます。

具体的な条件は以下のとおりです。

  • 教育課程修了
  • 認定審査合格
  • 高度な知識・技術の習得
  • 継続的な学習
  • 資格更新

日本看護協会認定の教育課程を修了し、認定看護師認定審査に合格しなければなりません。特定の看護分野における高度な知識・技術を習得し、継続的な学習と自己研さんが求められます。資格の更新は5年ごとに行われます

認定看護師には、高い倫理観と患者中心のケアを実践する能力も不可欠です。チーム医療におけるリーダーシップ能力や教育・指導能力の向上も重要です。認定看護師を目指す人は、資格の条件をしっかりと理解し、計画的に準備を進めてください。実務経験を積みながら、特定分野の知識や技術を深めましょう。

専門看護師と認定看護師になる流れの違い

専門看護師と認定看護師になる流れの違いを詳しく解説します。

専門看護師になる流れ

専門看護師になるには、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 看護師免許を取得する
  2. 5年以上の実務経験を積む(うち3年以上は専門分野の経験)
  3. 専門看護師教育課程のある大学院修士課程に進学する
  4. 大学院修士課程で高度な看護実践能力や研究能力を養う
  5. 大学院修了後、修士号を取得する
  6. 日本看護協会が実施する専門看護師認定審査を受験する
  7. 審査に合格後、専門看護師に認定される

資格は5年ごとに更新審査を受ける必要があるので、継続的な学習と実践が必要です。専門看護師になるには長期的な努力が必要ですが、高度な専門性を持つ看護師として活躍できます。キャリアアップを目指す50代の看護師にとって、魅力的な選択肢です。

認定看護師になる流れ

認定看護師になるには、認定看護師教育課程の受講資格の確認が必要です。看護師としての経験や知識が十分にあるかを確認する重要なポイントなので、慎重に行いましょう。

認定看護師になるための具体的な流れは、以下のとおりです。

  1. 看護師免許を取得する
  2. 5年以上の実務経験を積む(うち3年以上は認定看護分野の経験)
  3. 専門としたい分野の教育機関に出願する
  4. 書類審査と面接試験を受ける
  5. 合格後、800時間+特定行為研修の実習時間(1年以内)の教育課程を受講する
  6. 教育課程を修了後、認定審査を受験する
  7. 合格後、日本看護協会に登録申請を行う

上記のプロセスは時間と努力を要しますが、専門性を高め、キャリアアップにつながる価値ある挑戦です。50代の看護師にとって、新たな可能性を開く良い機会になります。

専門看護師と認定看護師のキャリアパスの違い

専門看護師と認定看護師のキャリアパスには大きな違いがあり、専門看護師は、広範囲な分野でのキャリア展開が可能です。一方、認定看護師は特定の看護分野でのスペシャリストとしてのキャリア構築が中心です。専門看護師と認定看護師のキャリアパスの違いを、詳しく解説します。

専門看護師のキャリアパス

専門看護師のキャリアパスでは、高度な専門知識と実践能力を活かし、医療現場でリーダーシップを発揮できます。医療機関での専門的な看護実践や研究活動を中心に、幅広い活躍が可能です。

具体的には、以下のようなキャリアパスが考えられます。

  • 大学院などでの教育者としての道
  • 医療政策への関与
  • 専門分野の発展への貢献
  • 他職種連携のコーディネーター役
  • 専門分野での執筆活動や学会発表

国際的な活動や海外での研修も増えているため、グローバルな視点を得られます。専門看護師間のネットワークを構築し、情報交換を行えば、さらに成長が可能です。継続的な自己研さんと最新の知識・技術の習得が求められるので、常に学び続ける姿勢が大切です。管理職やエグゼクティブポジションへのキャリアアップもできます。

専門看護師のキャリアパスは、個人の興味や適性に応じて柔軟に選択できるため、自分らしい道を見つけましょう。専門看護師のキャリアパスは、多様な可能性を秘めています。

認定看護師のキャリアパス

認定看護師のキャリアパスは、専門性を活かしながら段階的にスキルアップできます。認定看護師として経験を積めば、より高度な看護実践や指導的立場への成長が可能です。

具体的には、以下でキャリアを積めます。

  • 特定分野での経験
  • 研修や講習会への参加
  • 継続的な学習と実践
  • リーダーシップの発揮
  • 後進の指導や教育

専門外来や相談業務を担当したり、病院の質向上プロジェクトに参加したりすると、より幅広い活躍の場を得られます。学会や研究会での発表を通じ、専門性を高めることも可能です。複数の認定看護師資格を取得して知識と技術の幅を広げたり、管理職や専門看護師を目指したりする選択肢もあります。

認定看護師としてのキャリアパスは多様で、自身の目標に合わせた成長が可能です。認定看護師は、継続的な学習と実践を通じ、より高度な看護ケアを提供し、医療チームの中で重要な役割を果たします。自身の興味や適性に合わせてキャリアを築くことが大切です。

専門看護師と認定看護師のメリット・デメリットの違い

専門看護師と認定看護師のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

専門看護師のメリット・デメリット

専門看護師のメリットは多いです。高度な専門知識と実践能力があると、医療チームのリーダーシップを発揮できます。研究や教育活動にたずさわる機会が増え、キャリアアップの選択肢が広がります。給与や待遇が改善される可能性もあるため、経済的な面でも魅力的です。

具体的なメリットには、以下のようなものがあります。

  • 特定分野での専門性を深められる
  • 患者ケアの質向上に貢献できる
  • 医療チームでの影響力が増す

デメリットも認識しておかなければなりません。資格取得に時間と費用がかかるうえ、継続的な学習と更新が不可欠です。責任が重くなり、業務量が増える可能性も考えられます。デメリットの具体例としては、以下のようなものがあります。

  • ワークライフバランスの維持が難しくなる
  • 異動や転職の機会が限定される可能性がある
  • 専門分野以外のスキルが低下する可能性がある

専門看護師を目指す際は、メリットとデメリットをよく理解し、自分のキャリアプランに合っているか慎重に検討しましょう。

認定看護師のメリット・デメリット

認定看護師の最大のメリットは、専門性の向上と高度な看護実践能力を獲得できることです。特定の分野で深い知識と技術を身に付けると、患者へのケアの質を高められます。

具体的なメリットとしては、以下が挙げられます。

  • キャリアアップの機会が増える
  • 給与が向上する可能性がある
  • 医療チームの中で発言力や影響力が増す
  • より重要な役割を担える
  • 教育や指導者としての役割も広がる
  • 後輩の育成にも貢献できる

デメリットもあるので注意しましょう。資格取得に時間とお金がかかるのが大きな課題です。継続的な学習と資格の更新が必要なので、常に勉強を続ける必要があります。業務負担が増える場合も考えられます。

具体的なデメリットは以下のとおりです。

  • 特定の分野に特化するため、他の分野の経験が限られる
  • 病院や施設によって待遇や評価が異なる
  • 仕事と私生活のバランスを保つのが難しくなる

認定看護師には良い面と課題があります。自分のキャリアプランや目標に合わせて慎重に検討しましょう。

専門看護師と認定看護師に向いている人の違い

専門看護師と認定看護師に向いている人の特徴を詳しく解説します。

専門看護師に向いている人の特徴

専門看護師に向いているのは、高度な専門知識と分析力を持つ人です。専門看護師には、複雑な医療状況に対応できる判断力と、リーダーシップを発揮できる能力が求められます。

具体的には、以下のような特徴を持つ人が専門看護師に向いています。

  • 高い研究能力
  • 多職種との連携能力
  • 患者や家族への教育・指導力
  • 倫理的問題への対応力

エビデンスにもとづいた看護を実践できる能力や、多職種とのコミュニケーション能力に優れていることも重要です。継続的な学習意欲が高く、最新の医療情報を常に吸収できる人も専門看護師に適しています。

ストレス耐性が高く、困難な状況で冷静に対応できる能力も必要です。組織全体の看護の質向上に貢献したい人は、専門看護師として活躍できる可能性が高いです。高度な専門性と幅広い視野を持ち、医療チームのリーダーとして活躍したい人には、専門看護師をおすすめします。
» 専門看護師になるための基礎知識と必要な流れを解説

認定看護師に向いている人の特徴

認定看護師に向いている人は、特定の看護分野に強い興味と熱意を持っている場合が多いです。実践的なスキル磨きに意欲的で、患者や同僚とのコミュニケーション能力が高い人が適しています。

具体的には、以下のような特徴を持つ人が認定看護師に向いています。

  • 高い指導力
  • 臨床経験が豊富
  • 継続的な学習意欲
  • 観察力と分析力

指導力があり、他のスタッフに知識を伝えられる人や、臨床経験が豊富で現場での問題解決能力が高い人に最適です。継続的な学習と自己研さんに積極的で、細かな観察力と分析力を持っている人も認定看護師に向いています。

倫理的な判断力と責任感が強く、チーム医療において協調性がある人も認定看護師に向いている場合が多いです。忙しい環境でも冷静に対応できるストレス耐性の高さも重要です。
»認定看護師になるには?必要な要件や費用などを解説

まとめ

50代の看護師にとって、専門看護師と認定看護師の違いを理解することは、キャリアアップの選択において重要です。専門看護師は広範囲な対象を扱い、高度な知識と技術が求められます。認定看護師は特定の看護分野でのケアに特化し、実践的なスキルが重視されます。

専門看護師と認定看護師の違いを踏まえ、自分の適性や目標に合わせて選択しましょう。専門看護師を目指す場合は広い視野と分析力が必要で、認定看護師を目指す場合は特定分野への深い関心と実践力が重要です。

キャリアアップを考える際は、自身の強みや興味、将来のビジョンを考慮し、じっくり検討しましょう。専門性を高めると、より充実した看護師人生を送れます。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

職業はフリー看護師。18年間飲食店経営。40歳から看護専門学校に入学し、43歳で看護師になる。がん専門病院に勤務し、循環器・脳外科・血管外科・消化管内科経験あり。特別病床担当。老健、クリニック経験あり。 50歳をこえると、フルタイムの働き方は体力的にもつらくなります。 プライベートと仕事を両立しながら、自由な働き方ができる看護師が増えればいいなと思い、看護師の転職や働き方について発信しています。

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