看護師として働く中で、仕事の負担や夜勤のストレスに悩む方は多くいます。家族のために頑張りたくても、心身の疲れから転職を考えることもあります。介護士は看護師の経験を活かせる場面が多く、新たな選択肢の一つです。この記事では、看護師と介護士の違いを詳しく解説します。
記事を読むと、看護師の経験を活かしながら、無理なく働くためのポイントがわかります。それぞれの職種の特徴を理解し、自分に合った働き方を見つけましょう。
看護師と介護士の違い

看護師と介護士は、医療・介護分野で重要な役割を担う職業です。それぞれの違いは、以下のとおりです。
- 資格の違い
- 仕事内容の違い
- 給料の違い
- 働く場所の違い
資格の違い
看護師と介護士の資格には大きな違いがあります。看護師は国家資格であり、看護師国家試験に合格する必要があります。介護士は国家資格ではありませんが、介護福祉士国家試験に合格すると、国家資格である介護福祉士の資格取得が可能です。
看護師になるには3〜4年の教育期間が必要ですが、介護士の教育期間は2年程度が一般的です。必要な知識や技能にも違いがあり、看護師はより高度な医学知識が求められます。介護士は、介護技術と生活支援の知識が中心です。看護師は医療行為を行えますが、介護士はできません。
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仕事内容の違い
看護師の主な仕事は、医療行為の実施や患者の健康管理です。具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 投薬や注射などの医療行為
- バイタルサインの測定と管理
- 患者の症状観察と記録
- 医師の診療補助
介護士は、食事や入浴、排泄などの日常生活を支援します。介護計画の作成・実施や認知症ケアも仕事の一つです。ただし、看護師も患者の日常生活のケアを行うことがあるため、一部の業務が重なります。
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給料の違い

看護師と介護士の給料には大きな違いがあります。看護師の平均年収は約440万円で、介護士の約320万円を大きく上回っているのが現状です。看護師は医療行為を行う高度な専門職であるため、基本給が高く設定されています。夜勤や休日勤務の手当が充実しているため、給与が上がりやすいです。
看護師は認定看護師や専門看護師になると、さらに高給を得られます。介護士は、介護福祉士資格を取得したり、経験を積んだりすることで昇給が可能です。看護師は病院の規模や地域によっても給与に差があります。施設によって給与体系に差があるため、条件の良い職場を探すことも大切です。
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働く場所の違い
看護師の働く場所は多岐にわたり、主な勤務先は以下のとおりです。
- 総合病院やクリニック
- 特別養護老人ホームなどの介護施設
- 訪問看護ステーション
- 在宅介護サービス
- デイサービスセンター
- グループホーム
- 保健所や保健センター
- 学校(養護教諭として)
- 企業(産業看護師として)
- 障害者支援施設などの福祉施設
看護師の活躍の場は幅広く、さまざまな環境で専門知識や技術を活かせます。勤務先によって求められる役割や業務内容が異なるため、自分の適性や希望に合う職場が見つかりやすいのが特徴です。多様な選択肢の中から、自身のキャリアプランに合わせた働き方を選びましょう。
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看護師と介護士の資格の取り方の違い

看護師と介護士の資格取得方法には大きな違いがあります。それぞれの資格の取り方について、詳しく解説します。
看護師資格の取り方
看護師資格を取得するには、看護師養成所を卒業することが一般的です。主に看護専門学校や大学の看護学部で必要な教育を受けます。他にも、准看護師から正看護師への進学コースを修了する方法があります。准看護師の経験を活かしながら、正看護師の資格を目指す方におすすめです。
必要な教育を受けた後は、看護師国家試験に合格することが必要です。資格取得後は、都道府県の保健所に申請して看護師免許を取得します。現在は終身免許ですが、将来的に更新制度が導入される可能性もあります。看護師として働き始めた後も、継続的な研修や学習を通じて専門知識やスキルの維持・向上が大切です。
介護士資格の取り方
介護士資格の主な取得方法は、以下の3つです。
- 実務経験ルート
- 3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要
- 養成施設ルート
- 養成施設で2年以上の教育が必要
- 福祉系高校ルート
- 指定科目の履修と1年以上の実務経験が必要
各ルートを経ることで、介護福祉士の国家試験受験資格を取得でき、国家試験に合格すれば介護福祉士の資格を得られます。初任者研修を修了すると「介護職員初任者研修修了者」の資格取得が可能です。実務者研修を修了すると「介護福祉士実務者研修修了者」の資格を取得できます。
専門研修を受けることで、より高度な知識と技術が身に付きます。介護支援専門員の受験資格を得るには、5年以上の実務経験が必要です。
看護師と介護士のキャリアパスの違い

看護師と介護士のキャリアパスには大きな違いがあります。それぞれのキャリアパスについて、詳しく解説します。
看護師のキャリアパス
看護師のキャリアパスには多様な選択肢がありますが、臨床経験を積んでスペシャリストになることが一般的です。主任看護師や看護師長などの役職に就くと、リーダーシップを発揮できます。夜勤や長時間労働が続く場合もあるため、体力面に注意しましょう。認定看護師や専門看護師の資格を取得する方法もあります。
特定の分野で高度な知識と技術を身に付けることで、より専門的な仕事が可能です。看護学校の教員として、次世代の看護師を育成する選択肢もあります。教育職は夜勤から解放される点がメリットです。訪問看護ステーションを開業すると、自分のペースで働けるため、家族との時間も取りやすくなります。
看護の知識を活かしながら新しい分野にチャレンジしたい場合は、医療機器メーカーや製薬会社への転職がおすすめです。ワークライフバランスや専門性を考慮して、計画的にキャリアパスを選択しましょう。
» 看護師のキャリアアップ方法や役立つ資格を解説!
介護士のキャリアパス
介護士のキャリアパスは、経験を積みながら資格を取得することで、段階的な成長が可能です。初任者研修修了後は、実務経験を重ねながら介護福祉士資格の取得を目指せます。資格取得後は、認知症ケアやリハビリテーション、ターミナルケアなどの分野で活躍の幅が広がります。
経験を積むことで、主任介護職員や介護リーダーへの昇進が一般的です。キャリアを重ねていくと、ユニットリーダーや施設長などの管理職も目指せます。介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格を取得すれば、より幅広い視点で利用者のケアに関われます。訪問介護事業所や介護施設の管理者も選択肢の一つです。
介護教員や介護講師として後進の育成に携わったり、介護コンサルタントや起業家として独立したりする方法もあります。豊富な実務経験をもとに、研究者や政策立案者として介護システムの改善に貢献することも可能です。介護士のキャリアパスは多様であり、個人の適性や目標に合わせて柔軟に選択できるのが特徴です。
看護師と介護士の連携の重要性

看護師と介護士の連携は、患者へのケア提供に欠かせません。連携して仕事をするために、以下のポイントを押さえましょう。
- それぞれの専門知識と技能を活かして協力する
- 定期的にミーティングや情報共有の場を設ける
それぞれの専門知識と技能を活かして協力する
看護師と介護士が協力することで、患者により良いケア提供が可能です。看護師は医療の専門家として、薬の管理や医療処置を担当します。介護士は日常生活の支援のプロとして、食事介助や入浴介助を行います。看護師は医療面のアドバイスを行い、介護士は生活面での観察結果を共有しましょう。
情報を交換することで、患者の状態変化に素早く対応でき、患者の安全性と快適性が向上します。お互いの役割を理解し尊重し合うことで、円滑な協力関係を築けます。職場環境の改善や業務効率の向上も可能です。
定期的にミーティングや情報共有の場を設ける
看護師と介護士の連携を強化するうえで、定期的なミーティングや情報共有の場を設けることは欠かせません。効果的な取り組みは以下のとおりです。
- 多職種カンファレンスの実施
- 電子カルテやICTツールの活用
- 看護・介護計画の共同立案
患者の状態や治療方針を正確に共有することで、医療と介護のシームレスな連携が実現します。緊急時の対応手順や連絡体制を事前に確認すると、チーム全体の対応力が向上します。新しい知識や技術を共有し、学習会を実施することも重要です。患者や家族からのフィードバックを活かせば、ケアの質がより高まります。
定期的な情報共有の場を設けることで、チームビルディングや相互理解を深めることが可能です。
看護師から介護士に転職するメリットとデメリット

看護師から介護士への転職には、メリットとデメリットがあります。それぞれについて詳しく解説します。

専門学校の同級生に、学生時代、成績がいつも1番の人がいました。5年ほど病院で看護師をしていましたが、注射や採血が苦手だからという理由で介護士に転身しました。不安を抱えながら、看護師は続けられないといい、今では介護のプロです。
メリット
看護師から介護士へ転職すると、夜勤がなくなり、生活リズムが整う点が大きなメリットです。身体的な負担が軽減し、心身の健康状態の向上が期待できます。家族との時間が増加し、両親のケアや子どもの進路相談などに余裕を持って対応できるようになります。
給与が下がる可能性はありますが、生活の質が向上する点が魅力です。ワークライフバランスを重視し、健康と家族との時間を大切にしたい方は、介護士への転職は魅力的な選択肢となります。
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デメリット
看護師から介護士への転職に関するデメリットは、以下のとおりです。
- 給与が下がる
- 専門性や医療知識を活かす場が限られる
- キャリアが途絶える
- スキルが低下する
体力的な負担が増える可能性もあります。介護の仕事は看護師とは異なる身体の使い方をする場面が多いため、体力的にきつく感じる方もいます。看護師としての経験や人脈が十分に活かせないと感じることも、転職後のギャップの一つです。
新しい職場環境への適応には時間がかかり、不安やストレスを感じることも避けられません。業務内容や人間関係に慣れるまでは精神的な負担も大きくなるため、慎重な準備が必要です。
看護師と介護士の違いに関するよくある質問

看護師と介護士の違いに関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 看護師と介護士のどちらが向いている?
- 看護師と介護士の資格を両方持つと有利?
同様の質問がある方は、回答を参考にしてください。
看護師と介護士のどちらが向いている?
看護師と介護士のどちらが向いているかは、個人の適性や価値観によって異なります。より適した職業を見つけるために、以下のポイントを押さえましょう。
- 得意なこと、苦手なこと
- 体力や健康状態
- 希望する給与や勤務形態
- 将来のキャリアプラン
両職種には特徴があるため、自分に合った選択が大切です。看護師は医療知識や技術が必要なため責任が重く、ストレスは高くなりがちです。給与は看護師の方が高い傾向にあります。介護士は体力的な負担が大きく、コミュニケーション能力が重要です。日常生活の支援が中心で、夜勤が少ない場合もあります。
両職種とも人と接する仕事であり、十分なやりがいを感じられます。自分の興味や生活スタイル、家庭環境に合わせて選びましょう。実際の仕事を知るために、体験やインターンシップに参加するのもおすすめです。経験や資格を活かせる職場環境を選ぶことで、より充実した仕事ができます。
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看護師と介護士の資格を両方持つと有利?
看護師と介護士の資格を両方持つことは、多くの場面で有利に働きます。両方の資格を持つことで、医療と介護の両面からケアを提供でき、患者や利用者のニーズにより柔軟な対応が可能です。就職や転職の際にも選択肢が広がり、施設によっては両方の資格を持つ人材を優遇する場合もあります。
チーム医療や多職種連携において、重要な架け橋となる役割を担えます。医療と介護の両方の知識とスキルを持つことで、現場での調整役としての活躍が可能です。両方の資格を持つと、専門性の高い職種や管理職への道が開けるため、長期的なキャリア形成にも有利です。
両方の資格を維持するには、継続的な学習や資格の更新が必要になり、時間や費用の負担がかかる点に注意しましょう。業務量が増えることで負担を感じることもあります。どちらかの専門性が浅くなるリスクもあるため、バランスを取りながら経験を積むことが重要です。
まとめ

看護師と介護士の違いは、資格や仕事内容、給料などの面で違いがあります。看護師は医療行為ができますが、介護士は日常生活の援助が中心です。どちらの職種も医療・介護の現場で重要な役割を果たしており、個人の適性や目標に合わせて選ぶことが大切です。
看護師から介護士へ転職を考えている方は、それぞれのメリットとデメリットをよく検討しましょう。両方の資格を持つことで、より幅広い選択肢を得られます。自分のニーズとキャリア目標にもとづいて判断することが重要です。自分に合った職種を見つけ、充実した生活を送りましょう。