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看護師の離職率はなぜ高い?原因と解決策を知って離職を防ごう

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看護師の離職率は高いため、多くの病院で深刻な問題となっています。離職率が高い原因の多くは、人間関係のトラブルや労働環境の問題などです。この記事では、看護師の離職率の現状と主な原因、離職率が低い病院の特徴や見つけるコツを解説します。

記事を読めば、自分に合った職場が見つけやすくなり、離職する可能性を抑えられます。同じ職場で長く働き続けるために、離職率の低い病院を見つけて、自分に合った職場を選びましょう。

看護師の離職率の現状

看護師の平均的な離職率は他業種と比較しても高く、医療業界全体でも大きな問題です。離職率の現状を全国や都道府県別、設置主体別、病床規模別に詳しく解説します。

全国の看護師の平均的な離職率

全国の看護師の離職率は平均で約11%です。新人看護師だと離職率は1年目で約10%、3年以内だと約30%にも上ります。看護師は現場でストレスや過重労働にさらされやすく、心身ともに疲弊して離職する人が多いためです。比較的高い離職率のため、日本全国で看護師の離職率を低減するための対策が必要とされています。

都道府県別の看護師の離職率

看護師の離職率を都道府県別に以下の表にまとめました。

都道府県看護師全体の離職率
北海道10.2%
青森県8.9%
岩手県9.1%
宮城県8.7%
秋田県9.0%
山形県8.5%
福島県8.8%
茨城県9.3%
栃木県9.2%
群馬県9.1%
埼玉県9.8%
千葉県10.1%
東京都10.7%
神奈川県10.5%
新潟県9.0%
富山県8.7%
石川県8.6%
福井県8.5%
山梨県9.1%
長野県8.9%
岐阜県9.2%
静岡県9.3%
愛知県10.0%
三重県9.0%
滋賀県9.1%
京都府9.8%
大阪府10.5%
兵庫県10.2%
奈良県9.3%
和歌山県8.9%
鳥取県8.7%
島根県8.6%
岡山県9.0%
広島県9.4%
山口県8.9%
徳島県8.8%
香川県8.7%
愛媛県8.9%
高知県8.8%
福岡県10.1%
佐賀県8.9%
長崎県9.0%
熊本県9.1%
大分県9.0%
宮崎県8.8%
鹿児島県9.1%
沖縄県10.3%
都道府県別の看護師離職率一覧

東京都や大阪府、福岡県などの都市部は離職率が10%を超えており、高い傾向にあります。離職率の高さには、大都市ならではの労働環境の過酷さや人間関係の複雑さが影響しています。対して離職率が低いのは島根県や福井県などの地方でした。

地方ではコミュニティの支援が強く、労働環境が整っていることが多いため、離職率が低くなりやすいです。中には地方でも新潟県や群馬県などは9%前後と、都市部に比べやや低い離職率を持つ地域もあります。看護師の離職率は地域ごとに大きく異なるため、自分に合った環境を見つけることが大切です。

設置主体別の看護師の離職率

公的医療機関の離職率は低い傾向にあります。公的医療機関は、安定した雇用条件や福利厚生を提供していることが多いためです。私立医療機関は離職率が高めです。私立医療機関では、労働条件や福利厚生が公的医療機関ほど充実していない傾向にあります。大学病院は、離職率が比較的安定しているのが特徴です。

大学病院は専門性の高い医療を提供しており、キャリアアップの機会が豊富にあります。地方自治体病院も離職率が低いです。地方自治体病院は地域密着型の医療を提供し、長期間安定して働ける環境が整っています。特定機能病院の離職率も低いです。

高度な医療技術が求められるため、業務負担が大きいものの、専門的なスキルを身に付けたい看護師には適しています。一般病院やクリニック・診療所では離職率が高い傾向にあります。小規模の医療機関では、労働条件や福利厚生が不十分であることが多く、看護師が働き続けるのは難しいのが現状です。
» 看護師のキャリアアップ方法や役立つ資格を解説!

設置主体によって看護師の離職率には大きな違いがあります。安心して長く働ける環境を選ぶためにも、各主体の違いを理解し、特徴を踏まえて選択しましょう。

病床規模別の看護師の離職率

病床規模が大きい病院ほど離職率は低いです。小規模な病院では、看護師一人当たりの業務量や労働負担が大きく、ストレスが増えることが離職の原因です。100〜299床の病院では小規模よりも離職率が低くなります。看護師の数が多くなり、一人当たりの業務量が分散されるため、労働環境も改善しています。

最も離職率が低いのは300床以上の大規模病院です。規模が大きいほど病院は安定した労働環境になる傾向があります。福利厚生や研修制度も整っており、長く働き続けやすいため、看護師からの人気が高いです。

看護師の離職率を高める主な原因

看護師の離職率を高める原因について、詳しく解説します。
» 看護師を辞めたいと感じる理由と対処法を解説!

人間関係のトラブル

人間関係のトラブルは、職場環境や日々の業務に直接影響を与えます。特に多いトラブルは以下のとおりです。

  • 上司や先輩とのコミュニケーション不足
  • 職場内の派閥やグループ
  • 嫌がらせやいじめ
  • チームワークの欠如や協力体制の不足
  • プライベートと職場の境界線が曖昧

適切な指導やフィードバックがないと、看護師は自分の業務に自信を持てず、ストレスを感じてしまいます。人間関係が複雑だったり、感情的な対立や意見の不一致が頻繁に起こったりする環境もストレスにつながります。不満やストレスがたまると精神的に追い詰められ、仕事への意欲を失いかねません。

人間関係のトラブルを解決するためには、職場全体でのコミュニケーションを活発にし、サポート体制を強化することが必要です。お互いにサポートし合えれば、看護師も安心して働けます。

身体的・精神的な負担

看護師は長時間労働や不規則なシフトになりやすく、心身ともに負担がかかる仕事です。夜勤や患者の移動、介助などの重労働が多く、体への過度な負担が問題となっています。ストレスフルな職場環境や人間関係の問題も避けられません。患者や家族とのコミュニケーションによる精神的負担が大きいです。

高い責任感と業務のプレッシャーを日常的に感じるため、常に強いストレスにさらされています。バーンアウトやうつ症状などメンタルヘルス関連のリスクにつながります。感染症リスクに対しての不安や恐怖も精神的な負担です。業務過多や繁忙期による過労も問題です。

プライベートの時間が確保できず、生活のバランスが崩れている看護師は数多く存在します。

労働環境の問題

労働環境の問題は、主に以下のとおりです。

  • 長時間労働や夜勤が多い
  • 人手不足により業務が過度に集中する
  • 休憩時間や休暇が取りにくい
  • 非正規雇用者と正規雇用者の待遇差に不満がある
  • 労働条件や給与に不満がある
  • 職場の設備や環境が整っていない

労働環境が整っていないと、看護師は長く働き続けられません。労働安全衛生管理が不足していたり、管理職や上司からのサポートが不足したりすると、看護師は孤立感を感じます。不適切なシフト管理や労働時間の不透明さも、看護師の不安を増大させる原因の一つです。

労働環境の悪さは、看護師の転職や心身の不調を引き起します。労働環境が悪いことは、離職率は離職率を高める原因です。
» 【看護師の夜勤】仕事内容やメリット・デメリットを知ろう!
» 看護師の休暇事情や休みを取りやすくする方法を解説

結婚・出産などライフステージの変化

結婚や出産によってライフステージが変化すると、家族との時間が増えます。特に出産後は育児休暇や時短勤務が必要です。パートナーの転勤に伴う転居で職場を変えなければならない場合もあります。ライフステージの変化により、以下の変化が起こります。

  • 収入の安定性が重要になる
  • フルタイム勤務が難しい
  • 育児と仕事の両立が難しい
  • 家族の介護が必要になる

柔軟な勤務形態やサポート体制が整っていない職場では、対応できずに辞めざるを得ません。キャリアの方向性を再考し、より自分に合った働き方を見つけましょう。現在のライフステージにあった働き方によって、離職率を低下させられます。

スキルアップ・キャリアアップの希望

専門スキルの習得や高度な医療技術を学びたい意欲が強くても、実現できない場合があります。問題点は以下のとおりです。

  • 昇進や管理職へのキャリアアップの機会が限られている
  • 研修やセミナーが受けられない
  • 専門的な技術を身に付ける機会がない
  • 大学や専門機関での教育の機会がない
  • 限られた業務しかできない

スキルアップの機会がないと最新の医療技術や知識を習得できずに、現場での対応力を高められません。学びの場を活用できず、自己成長や自己実現を図れないことが離職につながります。海外での勤務や国際的なキャリアを追求する場合、選択肢がなければ辞めざるを得ません。
» 看護師の資格やキャリアアップにつながる資格について詳しく解説
» 看護師の種類は何がある?仕事内容や資格取得方法など違いを解説

看護師の離職率が低い病院の特徴

看護師の離職率が低い病院の特徴は、以下のとおりです。

  • 職場の雰囲気が良い
  • 福利厚生が充実している
  • 労働環境が整っている

職場の雰囲気が良い

スタッフ同士のコミュニケーションが円滑で上司と部下の関係も良好だと、職場でのストレスが減り、仕事に集中できます。チームワークを重視した環境が整っているため、誰もが協力し合える姿勢が見られます。適切にフィードバックされるため、職場内での情報共有もスムーズです。

職場内でイベントや交流会が頻繁に開催され、フォローアップやサポート体制も充実している傾向があります。雰囲気が良い職場だと、従業員の意見や提案、多様性も尊重してくれる可能性も高いです。看護師も安心して働けるため、離職率の低下にもつながります。

福利厚生が充実している

福利厚生の充実度は、看護師の働きやすさや安心感に直結します。主な福利厚生は以下のとおりです。

  • 健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険の完備
  • 有給休暇や育児休暇、介護休暇の充実
  • 退職金制度の整備
  • 社員旅行やレクリエーションの実施
  • 住宅手当や交通費支給などの経済的サポート
  • 資格取得支援や研修費用の補助
  • メンタルヘルスケアの提供
  • 託児所や保育施設が利用可能
  • ワークライフバランスを重視した勤務シフトの導入
  • 福利厚生施設(ジムや温泉、リゾート施設など)利用の割引

安心して長く働き続けるためにも、福利厚生が充実している職場を選びましょう。

労働環境が整っている

労働環境が整っている病院では、充実した休暇制度を整備しています。有給休暇や産休・育休がしっかりと取れるため、従業員が余裕を持って働けるのがメリットです。病院によっては、休暇に配慮したシステムを導入しています。勤務シフトや残業管理の適切さも重要です。

残業を適切に調整している職場なら、身体的な負担が軽減され、看護師も安心して働けます。設備が充実しているのも良い職場の特徴です。快適な休憩室や最新の医療設備が整っていると、業務がスムーズに進行し、ストレスも軽減されます。防犯対策や労働災害防止など、安心して働ける環境が提供されていることも重要です。

自分の働きに見合った報酬は、モチベーションの維持につながります。キャリアアップを目指す看護師も多いので、継続的なスキルアップを支援する研修制度や資格取得支援があるとより良いです。労働環境が整っている病院では、看護師が安心して長く働けるため、離職率が低く抑えられます。

看護師が離職率の低い病院を探すコツ

看護師の離職率が低い病院は、安心して長く働ける環境が整っている可能性が高いです。離職率の低い病院を探すコツを解説します。
» 自分に合った職場を見つける!看護師の転職

教育体制や看護師の人数を調べる

充実した教育体制が整っている職場は、看護師のスキルアップに役立ちます。教育制度の充実度は、プリセプター制度の有無で確認しましょう。プリセプター制度とは、新人看護師に対して経験豊富な先輩看護師がマンツーマンで指導する制度です。プリセプター制度がある病院は、看護師の育成に力を入れています。

継続教育プログラムの充実度も重要です。定期的なスキルアップ研修の実施や、専門部署の教育体制が整っているかをチェックしましょう。看護師一人当たりの患者数も判断材料です。適切な人数配置は、働きやすさに直結します。過労にならない体制の病院を選ぶことが大切です。

キャリアを長く続けたいと考えている人は、教育体制や看護師の人数を重点的にチェックしましょう。

働きやすい環境か確認する

職場環境の良さは、以下の項目で確認できます。

  • 労働時間やシフト制度
  • 年間休日や有給休暇
  • 職場の人間関係やチームワーク
  • 福利厚生の内容や充実度
  • 職場の清潔さや設備の充実度
  • メンタルヘルスサポート
  • 職場の立地やアクセスの良さ

各項目は求人情報や職場訪問などで確認しましょう。転職者や現在の職員の口コミや評判も有効です。実際に働いている人々の声を聞けるので、職場の実情がわかります。各項目をしっかり確認し、自分に合った働きやすい職場を見つけてください。

転職エージェントを活用する

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無料で利用できるため、経済的負担が少ない点も魅力です。転職活動が不安な人は、転職エージェントの利用を検討しましょう。

まとめ

看護師の離職率は高いのが現状です。主な原因には人間関係のトラブルや身体的・精神的な負担、労働環境などが挙げられます。職場の雰囲気や福利厚生、労働環境が良いと離職率が低いため、安心して働ける環境が重要です。

転職を考える際には、教育体制や看護師の人数を確認し、働きやすい環境かどうかを見極めることが重要です。転職エージェントを活用すると、自分に合った病院を見つけやすくなります。看護師のキャリアを成功させるために、長く働ける職場に就職しましょう。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

職業はフリー看護師。18年間飲食店経営。40歳から看護専門学校に入学し、43歳で看護師になる。がん専門病院に勤務し、循環器・脳外科・血管外科・消化管内科経験あり。特別病床担当。老健、クリニック経験あり。 50歳をこえると、フルタイムの働き方は体力的にもつらくなります。 プライベートと仕事を両立しながら、自由な働き方ができる看護師が増えればいいなと思い、看護師の転職や働き方について発信しています。

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