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訪問看護師になるには?必要なスキルとメリット・デメリットを徹底解説

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看護師として長年働く人にとって、夜勤のある勤務体制は心身ともに負担です。家族の介護と仕事の両立に悩み、転職を検討している人が多くいるのも事実です。この記事では、訪問看護師の役割や重要性などについて解説します。記事を読めば、訪問看護師の仕事内容やメリット・デメリット、必要なスキルなどが理解できます

看護師は、在宅療養を支える職種です。病院勤務とは働き方が異なり、ワークライフバランスを取りやすくなります。一方で、一人で判断する場面も多く、責任も大きいため、しっかり検討しましょう。
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訪問看護師の役割と重要性

訪問看護師の役割と重要性について、以下の項目を解説します。

  • 訪問看護師の役割
  • 高齢化社会での訪問看護師の重要性
  • 家族支援と多職種連携の必要性

訪問看護師の役割

訪問看護師は、患者と家族の生活の質を向上させます。患者の自宅を訪問し、医療・看護サービスを行うのが仕事です。医師の指示にもとづき、さまざまな医療処置を行います。仕事内容は以下のとおりです。

  • 健康状態の観察・評価
  • 服薬管理と指導
  • 日常生活の援助
  • 家族へのケア指導・サポート
  • 他職種との連携

緊急時の対応や判断も必要で、終末期のケアや、リハビリテーションを支援する場合もあります。在宅での療養環境への助言も重要です。医療機器の管理や操作も行います。地域包括ケアシステムでも、訪問看護師は重要な役割を果たします。

高齢化社会での訪問看護師の重要性

在宅で療養する高齢者は増加傾向です。訪問看護師は、高齢者の安全な生活に貢献します。仕事内容は、慢性疾患や服薬の管理、医療処置、生活支援です。高齢者が増えると、医療機関の負担も増えますが、訪問看護師の在宅ケアにより、病院の負担が軽減されます。

訪問看護師の仕事は専門的なケアだけではありません。心のケアや社会とのつながりを支援し、高齢者の孤立も防ぎます。

家族支援と多職種連携の必要性

訪問看護師は、家族の介護負担の軽減と精神的な支援を行い、在宅療養の質を高めます。家族の介護力向上のための指導や教育、介護保険サービスや福祉サービスなどの活用と連携も重要な役割です。患者と家族の希望に沿った在宅療養計画も行います。多職種連携も欠かせません。

医師やケアマネージャー、理学療法士などの専門家と協力して、適した在宅療養環境を整えます。定期的な多職種カンファレンスでの情報共有も重要です。

訪問看護師の仕事内容

訪問看護師の仕事内容は、以下のとおりです。

  • 健康状態の管理とバイタルチェック
  • 医療処置や緊急対応
  • 薬の管理や相談
  • 療養生活の相談や支援
  • 身体の衛生管理や日常生活の支援
  • リハビリテーション
  • 終末期ケアや緩和ケア

健康状態の管理とバイタルチェック

バイタルチェックは、安全な在宅療養に欠かせません。体温や脈拍、血圧、呼吸数を確認し記録します。バイタルチェックにより患者の状態がわかり、症状の変化や異常の早期発見が可能です。慢性疾患の管理や対策も重要です。

栄養状態や睡眠状態、排泄状況などを確認し、必要に応じて食事指導や改善支援を行います。皮膚の状態の確認も欠かせません。褥瘡(床ずれ)の予防や痛みの評価、緩和ケアも、訪問看護師の大切な仕事です。精神状態やメンタルケアへの配慮をしつつ、感染症の予防や管理、検査結果の確認や説明も行います。

医療処置や緊急対応

訪問看護師は、患者の状態に合わせた医療処置を行います。処置の内容は以下のとおりです。

  • 点滴や注射
  • 褥瘡(床ずれ)の処置
  • 気管カニューレの交換
  • 人工呼吸器の管理
  • 酸素療法の実施
  • 血糖測定とインスリン投与
  • 導尿や膀胱留置カテーテルの管理
  • 胃瘻や経鼻経管栄養の管理
  • 痰の吸引

緊急時には応急処置を行い、医師へ報告します。バイタルサインの異常が出た場合、救急車の要請も判断します。患者の急変時には、家族への説明と支援も重要です。

薬の管理や相談

患者の健康と安全を守るには、薬の管理が欠かせません。訪問看護師は、患者が正しい薬を適量服用しているか確認し、必要に応じて服薬スケジュールを調整します。副作用の確認と対応も重要です。患者を注意深く確認し、副作用の兆候が見られた場合は速やかに対処します。

複数の薬を服用している場合、薬の相互作用による影響が出る可能性があるため、慎重な確認が必要です。服薬指導や教育も行います。患者や家族に、薬の正しい使い方や注意点を説明し、適切な服薬を支援します。薬の効果の定期的な確認も重要です。必要に応じて、医師や薬剤師に投薬の見直しを提案します。

残薬管理や適切な廃棄方法の指導も欠かせません。期限切れの薬や、不要になった薬の適切な処分方法をアドバイスします。新しい薬が処方されたときは、患者が新しい薬に慣れるまでフォローします。患者や家族の薬に関する質問にも対応が必要です。疑問や不安を解消して、安心して服薬できるよう支援します。

療養生活の相談や支援

療養生活を送る患者や家族にとって、生活の質の向上は重要です。訪問看護師は、患者の状態に合わせた適切なアドバイスや支援を行い、快適な療養生活をサポートします。療養環境の整備や改善提案、食事や栄養、睡眠、休み方のアドバイスをします。ストレス管理や精神的サポート、家族への介護指導と相談対応も必要です。

患者の趣味や生きがいもサポートします。医療機器の使用方法や管理、感染予防、衛生管理の指導も重要です。緊急対応も事前に説明し、患者と家族の不安を減らします。

身体の衛生管理や日常生活の支援

患者の清潔保持と生活の質の向上には、身体の衛生管理と日常生活の支援が欠かせません。以下の支援を行います。

  • 清拭や入浴介助
  • 口腔ケアの指導や実施
  • 排泄介助や状況確認
  • 褥瘡予防や処置
  • 衣類の着脱支援
  • 環境整備や清掃指導などの支援
  • 皮膚トラブルの予防や処置
  • 爪切りや髪の手入れの支援

日常生活動作(ADL)の維持や向上も重要です。食事介助や移動・移乗の介助、体位変換の実施や指導により、患者の自立を促します。感染予防の実施や指導も必要です。適切な手洗いやマスク着用の指導、環境の消毒などで、患者と家族の健康を守ります。

リハビリテーション

リハビリテーションは、患者の生活の質を向上させるうえで欠かせません。訪問看護師は、患者の自宅で効果的なリハビリテーションの支援が可能です。日常生活動作(ADL)の改善を支援し、運動プログラムを作成します。麻痺や関節拘縮の予防や改善、歩行訓練や移動動作の指導も重要です。

リハビリテーションにより、患者の自立を促します。転倒予防のための環境整備や指導も必要です。患者の自宅環境を確認し、安全な生活のためのアドバイスをします。嚥下機能改善のための訓練や呼吸リハビリテーションなど、専門知識を活かした支援は、患者の健康維持に有効です。

家族への介助方法や自主トレーニングの指導も欠かせません。患者と家族が協力して、リハビリテーションを続けられるよう支援します。訪問看護師は、患者の状態に応じたリハビリテーション計画を立て、評価します。最適なリハビリテーションを行うには、多職種との調整も必要です。

終末期ケアや緩和ケア

終末期ケアや緩和ケアは、痛みや不快な症状を和らげ、患者が穏やかに過ごせるようにサポートするのが目的です。痛みのコントロールや症状の管理、精神的なサポートや心のケア、患者の希望や意思を尊重した支援を行います。家族の看取りの準備と支援も重要です。患者の尊厳を守り、生活の質を高めます。

患者や家族の希望により在宅で看取る場合、最期の時間を自宅で過ごせるよう支援します。終末期ケアには、倫理的な配慮も必要です。患者の意思を尊重した最期を迎えられるようサポートします。

訪問看護師の1日のスケジュール

訪問看護師の1日のスケジュールについて、以下の項目を解説します。

  • 訪問看護師の1日の流れ
  • オンコール対応や緊急訪問

訪問看護師の1日の流れ

訪問看護師の1日の流れは以下のとおりです。

事務所に出勤し、スケジュールを確認します。必要な物品を準備し、患者の自宅へ向かいます。
午前中
バイタルチェックや医療処置、服薬管理が業務です。
事務所に戻り休憩しつつ、記録の作成や次の訪問の準備を行います。
午後
患者の自宅を訪問し、リハビリテーションの支援や家族への指導を行います。事務所に戻るのは夕方です。記録を完成させ、報告やカンファレンスに参加します。
夜間
オンコール対応のため、緊急時の電話相談や訪問に備えます。

訪問看護師の仕事は、急な状況変化にも対応できる柔軟性が必要です。自身の体調管理や感染予防も徹底しなければいけません。患者の自宅間の移動時間も考慮する必要があります。

オンコール対応や緊急訪問

オンコール対応と緊急訪問は、24時間対応のため、心身ともに負担がかかる仕事です。夜間や休日の電話相談への対応、患者の急変時の緊急訪問を行います。オンコール対応や緊急訪問には、高度な専門知識と経験が必要です。緊急時には冷静に判断し、適切な処置を行います。家族への説明と支援も重要です。

不安を抱える家族に対して、状況を説明し、必要な支援をします。緊急時に備えるためには、日ごろから対応手順を確認し、必要な医療機器や薬品を準備しなければいけません。チーム内での情報共有や引き継ぎ、定期的な研修も求められます。オンコール対応では、ストレス管理と十分な休息の確保が重要です。

訪問看護師になるメリット・デメリット

訪問看護師になるメリット・デメリットについて、以下の項目を解説します。

  • 訪問看護師のやりがいと魅力
  • 訪問看護師の大変な点と対策

訪問看護師のやりがいと魅力

訪問看護師のやりがいと魅力は、患者と信頼関係を築ける点です。一人ひとりの生活環境や状況に合わせたケアができるため、患者の生活に直接貢献できます。自立的に働きやすく、多職種連携により幅広い知識を学べます。患者の回復や笑顔を近くで見られる点や、家族からの感謝の言葉もやりがいの一つです。

地域医療への貢献もやりがいにつながります。在宅での看取りに関わると貴重な経験ができて、看護の本質と向き合えます。勤務体制が柔軟で働きやすく、キャリアアップの機会も豊富です。さまざまな症例に関われ、成長を実感できます。

訪問看護師の大変な点と対策

訪問看護師の大変な点は、不規則な勤務時間と長時間労働です。一人で判断する必要があり、責任の重い仕事でもありますが、不規則な勤務時間については時間管理とシフト調整で対策ができます。訪問スケジュールを調整し移動時間を減らすと、労働時間の削減が可能です。研修や勉強会へ参加し、最新の医療知識や技術を学ぶと、自信をもって対応できます。

感染リスクや身体的負担には、適切な感染予防や作業姿勢の改善が有効です。個人防護具を正しく着用し、手洗いを徹底しましょう。腰痛予防のストレッチや、適切な休憩時間の確保も重要です。精神的ストレスと感情労働の負担は、同僚や上司とのコミュニケーションで対応します。

定期的なミーティングや相談の機会があると、ストレスの軽減が可能です。移動時間と交通事情の負担には、効率的なルートを立てます。GPSナビゲーションシステムを使い、渋滞しにくいルートを選ぶと、移動時間が減らせます。
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訪問看護師に必要なスキル

訪問看護師に必要なスキルは、以下のとおりです。

  • コミュニケーションスキル
  • 継続的な学習とスキルアップ

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、患者や家族からの信頼を得るうえで欠かせません。傾聴と共感を重視し、わかりやすく説明します。非言語コミュニケーションを使い、患者に合わせた対応も重要です。高齢の患者の場合、ゆっくりと大きな声で話しかけ、表情や仕草にも気を配ります。

多職種との連携にもコミュニケーションスキルが欠かせません。医師や介護職員など、さまざまな専門家と情報を共有し、チームで患者をサポートします。

継続的な学習とスキルアップ

医療技術や知識は日々進歩しているため、訪問看護師は最新の情報を学び続ける必要があります。継続的な学習とスキルアップには、以下の方法が有効です。

  • 専門誌の定期購読
  • 学会や研修会への参加
  • オンライン講座の受講
  • 他分野の知識の習得
  • 緊急時対応のトレーニング

学習時間の確保が難しい場合、通勤時間を利用して専門誌を読むなど、隙間時間を活用しましょう。認定看護師や専門看護師の資格を取ると、より専門的なケアができます。継続的な学習とスキルアップは、自身のキャリアアップにも効果的です
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訪問看護師になる方法

訪問看護師になる方法について、以下の項目を解説します。

  • 必要な資格と経験
  • 求人の探し方と注意点

必要な資格と経験

訪問看護師になるには、看護師免許や、正看護師や准看護師の資格が必要です。3〜5年以上の臨床経験も求められます。訪問看護関連の研修や講習の受講、在宅ケアの知識、医療処置のスキルも欠かせません。訪問看護では患者の自宅を訪問するため、車の運転ができると便利です。

訪問看護師には、問題解決力や多職種との調整力、緊急時の対応力が求められます。患者や家族を適切にサポートするには、介護保険制度や医療保険制度の知識も重要です。

求人の探し方と注意点

求人を探すには、看護師専門の求人サイトがおすすめです。訪問看護に特化した求人情報を見つけやすくなります。ハローワークや看護協会、地域の看護師会の求人情報も確認しましょう。訪問看護ステーションに直接問い合わせる方法もあります。知人や同僚からの紹介も有効です。求人を探すときは、以下の点に注意しましょう

  • 勤務条件や待遇
  • 夜勤や休日出勤の有無
  • 訪問エリアと移動手段
  • 研修制度や教育体制
  • 福利厚生や保険制度
  • 勤務時間や残業の有無
  • 給与体系や昇給制度

面接では職場の雰囲気や、試用期間の有無や条件を確認します。転職エージェントを使った情報収集も有効です。複数の方法を組み合わせると、自分に合った求人を見つけやすくなります。希望の条件に合う求人が見つかるまで、焦らずじっくり探してください。

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まとめ

訪問看護師への転職は、夜勤のストレスから解放され、ワークライフバランスの改善が可能です。家族との時間を大切にしながら、やりがいのある仕事に携われます。在宅療養を支え、経験を活かした新たなキャリアの構築も可能です。働き方が柔軟で、自分の両親の面倒も見やすくなります。

健康管理や医療処置、生活支援など幅広い業務を通じて、看護師としての専門性も発揮できます。夜勤がないため、心身の負担の軽減が可能です。訪問看護師は大変な面もありますが、やりがいや魅力も多い仕事です。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

職業はフリー看護師。18年間飲食店経営。40歳から看護専門学校に入学し、43歳で看護師になる。がん専門病院に勤務し、循環器・脳外科・血管外科・消化管内科経験あり。特別病床担当。老健、クリニック経験あり。 50歳をこえると、フルタイムの働き方は体力的にもつらくなります。 プライベートと仕事を両立しながら、自由な働き方ができる看護師が増えればいいなと思い、看護師の転職や働き方について発信しています。

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