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【看護師の心得】取り返しのつかないミスを防ぐ方法5選を徹底解説!

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医療現場で働く看護師でも、ミスは避けられません。大きなプレッシャーとなるのは、患者の命に直結する取り返しのつかないミスです。この記事では、看護師が経験するミスの例や原因、ミスの防ぎ方、ミスをしたときの対処法や精神的なケアについて解説します。

記事を最後まで読むと、看護師としての安全対策や心構えが強化されます。ミスを未然に防ぐための知識と技術を身に付け、安心して看護師業務を行いましょう。

看護師の取り返しのつかないミスの例

看護師による取り返しのつかないミスには、以下5つの例があります。

  • 投薬ミス
  • 医療機器の操作ミス
  • 患者の転倒・転落
  • 手洗い・消毒不足による感染リスク
  • 患者情報の取り違え

投薬ミス

投薬ミスとは、誤った薬剤を投与することです。薬の名前や投薬時間、用量、経路を間違えると、十分な効果が得られず、患者の薬物アレルギーが生じる可能性があります。投薬時のエラーを防ぐための対策として5Rの確認があります。5Rとは指差しで声を出しながら、正しい患者正しい薬剤正しい量正しい用量正しい時間の5つの正しいを確認することです。最近では投与の理由を含めて6Rということもあります。アレルギー反応は命に関わることもあるため、細心の注意が必要です。投薬量の過不足や薬剤の投与経路にも気をつけてください。

飲むべき薬を注射してしまうと、深刻な健康被害を引き起こします。投薬ミスを防ぐためには、患者の薬歴や医師の処方の確認が欠かせません。重複した投薬は、過剰摂取や適応外使用となり、健康リスクが伴います。注射薬の調製ミスや誤った患者への投薬も気をつけてください。

きよたかナース
きよたかナース

わたしも怖い経験があります。もう少しで麻薬の投薬ミスをするところだったんです。

投薬前に患者さんに、名前を言ってもらい、現在の痛みの状況を聞いていた時に、自分のミスに気付いたんです。

麻薬の準備の時に、投薬時間を変更されていたのに気づいていなかったんですね。未然に防げたミスですが、冷や汗がでたのを覚えています。もちろん医師にも明確に時間の記載をいれてもらいましたが、ミスは続くことがあるので要注意です。

ほんと、確認する時には落ち着いてしないと、意味がありませんね。

医療機器の操作ミス

医療機器の操作ミスは、不適切なトレーニングや教育不足により、機器の誤った設定や使用方法の誤解に起因します。心電図モニターの設定が不正確であると、患者の異常を見逃す可能性があります。受け持った患者さんに心電図モニターがついているときには、モニターの設定が、医師の指示になっていることを確認しましょう。看護師は機器の使用前に手順を確認し、日常的に機器の校正やメンテナンスを行いましょう。

医療機器を使用している患者の場合、例えば人工呼吸器や輸液ポンプ、シリンジポンプなどですが、受け持ちが変わって、部屋まわりに行ったときには、チェック表にサインをして責任の所在を明確にしておきましょう。万が一トラブルがあったっときには、いつから変更されたのかを調べることができます。

緊急事態や急な対応が求められる場合、焦りから操作ミスが発生する可能性があります。冷静な判断力と迅速な対応力を養うトレーニングが欠かせません。適切なトレーニングを受け、十分な経験を積むことで、操作ミスを最小限に抑えられます。また、時間があるときには、自分の苦手な医療機器には積極的に触るようにしておくことが大事です。

患者の転倒・転落

患者の転倒や転落は、患者の安全に直接関わる問題です。転倒・転落が発生する理由は、以下3つが考えられます。

適切な安全対策が不足している
ベッド柵が正しく設置されていないと、患者が意図せずにベッドから転落する可能性があります。
患者の動きや行動を予測できない
患者が薬の副作用でふらつきやめまいを感じている場合は、転倒や転落のリスクが高いです。
患者が自己判断で行動する
滑りやすい床や障害物、モニタリング機器の不具合や誤操作で、転倒の可能性が高まります。

患者の転倒・転落を防ぐためには、入院初期段階で患者の行動特性の把握が必要です。ベッド柵の設置確認や夜間の見回りの強化、患者の薬の副作用にも注意します。スタッフ間のコミュニケーションを円滑にし、患者との信頼関係を築くことも有効です。

きよたかナース
きよたかナース

最近は高齢者の入院も多くなっています。環境が変わることで不安が増えます。ナースコールを手に届く位置に置いておくことで、転倒を防ぐことができます。「夜間に困ったことがあれば、これで知らせてください。」この一言が大事です。

手洗い・消毒不足による感染リスク

院内感染のリスクを減らすために、十分な手洗いや消毒が欠かせません。病原体は手や医療器具を通じて患者に伝わることが多く、多剤耐性菌の拡散を助長します。患者の健康状態が悪化すると治療期間が延長され、医療スタッフ自身の感染リスクの増加にもつながります。

患者情報の取り違え

患者の安全を守るために、正確な情報の管理が不可欠です。患者の名前やIDを間違えて記録すると、治療や検査結果に大きな影響を与えます。患者の家族に間違った情報を提供した場合、大きな混乱を招く可能性もあります。患者の安全を守りトラブルを避けるためにも、細心の注意を払い、情報の確認を徹底してください。

看護師が取り返しのつかないミスをしやすい状況

看護師が取り返しのつかないミスをする背景は、以下の4つです。

  • 睡眠不足や疲労が溜まっているとき
  • 医師の指示が急に変わったとき
  • 急変・急患の対応をしたとき
  • 人員がギリギリなとき

睡眠不足や疲労が溜まっているとき

睡眠不足や疲労の蓄積は、判断力や集中力、記憶力の低下につながります。疲労が溜まらないように日常からケアしておくことが必要になります。注意力の散漫があると、患者の急変時に迅速な対応ができません。患者情報の取り違えなどの大きなミスが起こる可能性があります。適度な休息と十分な睡眠を心がけることが重要です。

医師の指示が急に変わったとき

医師の指示が急に変更した場合、混乱が生じる可能性があります。変更された指示を素早く理解できないと、今までの手順や方法から切り替えができません。所定の作業フローが崩れる可能性が高まり、他の業務とのバランスが難しくなります。誤った情報伝達や指示の受取間違いが起こりやすく、注意が必要です。口頭で指示を受けることは絶対やめた方がいいです。口頭で指示を受ける時には、必ずメモに書いてダブルチェックするようにしましょう。

急な変更に対する情報共有や確認はしっかり行いましょう。

急変・急患の対応をしたとき

急変や急患の対応には予測不可能な事態が多く、以下の状況が発生しやすいです。

  • 医師や他のスタッフとの連携が不十分になる
  • 複数の患者に同時に対応する必要がある
  • 医療機器の操作ミスが起こる
  • 患者の状態が急激に悪化する

看護師は心理的なプレッシャーが大きくなります。忘れ物や準備不足が発生しやすく、判断力も低下します。緊急対応時には冷静さを保ち、正確な手技を行うための訓練や準備が欠かせません。

人員がギリギリなとき

人員がギリギリなときは、短時間で多くの業務をこなす必要があり、1人当たりの負担が増えます。コミュニケーションや情報共有、ダブルチェックが不十分になり、患者の安全を十分に守れません。休息時間が削減され疲労が蓄積すると、ストレスとプレッシャーは増えます。

注意力が散漫になり、急な対応が必要な場合に迅速かつ正確な判断が困難です。

看護師が取り返しのつかないミスを防ぐ方法

看護師が取り返しのつかないミスを防ぐためには、以下5つの方法があります。

  • 6Rの確認・指差し呼称を徹底する
  • ダブルチェックを徹底する
  • 報・連・相を徹底する
  • メモを取りこまめに見返す
  • 自分自身のケアを怠らない

6Rの確認・指差し呼称を徹底する

6Rとは、以下の6つを示します。

  • 患者名の確認
  • 薬剤名の確認
  • 投与量の確認
  • 投与方法の確認
  • 投与時間の確認
  • 投与理由の確認

医療現場では一瞬のミスが重大な結果を招くことが多いため、6Rの確認が必要です。患者名や薬剤名の確認を怠ると、別の患者に誤った投薬を行う可能性があります。患者の健康を害し、場合によっては生命に関わる問題となります。6つの確認事項を指差し呼称(※)で行うと、ミスの防止に効果的です。

確認中は集中して行う必要があります。

※ 指差し呼称とは、目で見て文字を指しながら、口に出して確認することをいいます。

ダブルチェックを徹底する

見落としや誤解が発生しやすい状況では、ダブルチェックが有効です。ダブルチェックは、看護師2人以上で内容の確認をします。投薬や処置前に、複数の目で薬剤名や量、患者名を確認することで、ミスの防止に役立ちます。チェックリストやマニュアルを活用し、チーム全体での情報共有や相互確認を行うことも大切です。

報・連・相を徹底する

情報共有の徹底は、ミスの削減に効果的です。複数人で確認作業を行うことで、見落としや誤解を防げます。迅速な報告は、問題の早期発見・対策に役立ち、口頭だけでなく文書での報告や連絡も必要です。定期的なミーティングで情報の共有と確認を行うことで、チーム全体の理解が深まり、連携が強化されます。

報告・連絡・相談の時間を確保することも重要です。コミュニケーションツールを活用することで、情報の速やかな共有ができます。職場内での信頼関係を築くことも、報・連・相の徹底には欠かせません。重要な情報は上司に報告し、相談内容は記録します。緊急時の連絡環境を整えておくことで、迅速な対応が可能です。

メモを取りこまめに見返す

情報の整理と記憶の定着のため、以下の場面ではメモを取りましょう。

  • 投薬の指示
  • 患者の状態
  • 医師の指示
  • 急変した患者の状態

メモを取ると、重要な指示や情報を忘れません。詳細なメモを取ることで、必要な情報を後から簡単に見返せます。メモを見返すタイミングを決めると、情報の整理ができます。シフトの合間や休憩時間などにメモを見返す習慣をつけましょう。メモを共有・活用することで、チーム全体でスムーズな情報共有が可能です。

デジタルツールを使ってメモを共有すると、他の看護師や医療スタッフとも情報を共有しやすくなります。コミュニケーションのズレを防ぎ、患者ケアの質を向上させましょう。

自分自身のケアを怠らない

心身の健康が不十分だと、集中力が低下し、ミスが増える可能性が高まります。以下の方法で自分自身のケアを行ってください。

  • 定期的な休息を確保する
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレス管理の方法を見つける
  • バランスの取れた食事を心がける
  • 定期的な運動を行う
  • 同僚や友人とサポートを共有する
  • プロフェッショナルのカウンセリングを利用する
  • 趣味やリラクゼーション法を取り入れる

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看護師がミスをしたときにやるべきこと

看護師がミスをしたときには、以下の対応を迅速に行います。

  • すぐに報告する
  • ミスの原因や課題を分析する

すぐに報告する

ミスをしたときには、上司やチームにすぐに報告することが重要です。早期の報告が問題の拡大を防ぎ、早期対応が可能になります。患者や関係者にも迅速な説明が必要です。必要な対策を講じるために状況を詳細に記録し、適切なフォローアップを行いましょう。法的・倫理的なガイドラインに従って対応することが大切です。

ミスの原因や課題を分析する

再発防止のため、ミスの原因や課題を分析します。ミスを詳細に記録し、関係者からのフィードバックを収集することで、ミスが起きた背景や具体的な要因を把握できます。詳細な記録とフィードバックがあると、ミスの傾向や共通点を見つけやすいです。特定の時間帯や特定の作業でミスが多発することがわかれば、対策ができます。

環境的要因や作業手順の見直しも行い、チームでのディスカッションを通じて再発防止策を具体的に計画しましょう。自分たちがどのような状況でミスをしやすいのかを理解すると、適切な対策を講じられます。

» プレッシャーに打ち勝つ!看護師の大変なことを乗り越える具体的な対処法

看護師が取り返しのつかないミスで悩むときの対処法

看護師が取り返しのつかないミスで悩むときは、適切な対処法を取ることが重要です。以下に3つの方法を紹介します。

  • ミスを次に活かす方法を考える
  • 休息を十分にとる
  • 転職を検討する

ミスを次に活かす方法を考える

次に活かすために、ミスを詳細に記録しましょう。日時や状況、関わった人々、ミスの内容を明確に書き留めることで、後からの振り返りが可能です。ミスの原因や背景、環境を深掘りすることで、ミスの原因を徹底的に分析でき、再発防止に向けた具体的な対策がわかります。

同僚や専門家と意見交換を行うと、1人では気づけなかった問題点や改善策が見つかる場合があります。継続的な学習とスキルアップも欠かせません。最新の知識や技術を身に付けることで、ミスの予防につながります。ポジティブなマインドセットも大切で、ミスは成長のチャンスと捉え、自己評価と振り返りを習慣化しましょう。

休息を十分にとる

休息が不足すると集中力が低下し、ミスを犯しやすくなります。夜勤の多い看護師には課題もありますが、できるだけ一定の睡眠スケジュールを保ちましょう。仕事中にも適度な休憩を取り、ストレッチや軽い運動をするとリフレッシュできます。深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法は、精神的な安定に効果的です。

過労にならないように自分の限界を知ることも重要です。無理をせず、必要なときには周りの助けを求めてください。健康的な食事と適度な水分補給も、体力と集中力の維持に役立ちます。休日や長期休暇を有効に使い、メンタルヘルスにも注意を払いましょう。

» 看護師の休暇事情や休みを取りやすくする方法を解説

転職を検討する

現職でのミスが続く場合、原因が自分自身だけでなく、職場環境にあることも多いです。新しい環境を探すことで、ミスを減らせる場合があります。ストレスや疲労、職場の人間関係に悩んでいる場合、転職は1つの解決策です。新しい環境で心理的な安心感を得ることで、仕事に集中できます。

» 看護師を辞めたいと感じる理由と対処法を解説!

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まとめ

看護師の取り返しのつかないミスを防ぐためには、日々の業務において確認作業やダブルチェックを徹底することが重要です。6Rの確認や報連相を実践しましょう。仕事に追われる中でも、自分自身のケアを怠らないことがミス防止に役立ちます。

万が一ミスが発生した場合には、即座に報告し、原因を徹底的に分析することが大切です。ミスに悩んだときは、次に活かす対策を考え、必要であれば転職も検討しましょう。

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  • この記事を書いた人

きよたかナース

職業はフリー看護師。18年間飲食店経営。40歳から看護専門学校に入学し、43歳で看護師になる。がん専門病院に勤務し、循環器・脳外科・血管外科・消化管内科経験あり。特別病床担当。老健、クリニック経験あり。 50歳をこえると、フルタイムの働き方は体力的にもつらくなります。 プライベートと仕事を両立しながら、自由な働き方ができる看護師が増えればいいなと思い、看護師の転職や働き方について発信しています。

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