「ご飯どうしてるの?」と、同世代の友達からよく聞かれます。両親と同居しながら働いていると、毎日の食事の準備が、正直なところ一番のハードルでした。私もかつては、仕事から帰ってきた疲れた体で台所に立ち、「あぁ、もう惣菜でいいか…」と、何度ため息をついたか分かりません。
そんな私を救ってくれたのが、「週末の作り置き」という習慣でした。前回の1日スケジュールでも少し触れましたが、今日はもう一歩踏み込んで、私が実際にどんなふうに作り置きで食事を回しているのか、具体的なメニューや保存のコツまで含めて、正直なところをお話ししてみようと思います。
なぜ「作り置き」が私の救いになったのか
病棟看護師として働いていた頃は、夜勤明けの体で買い物に寄って、帰ってから手早く作って…という生活を、何年も当たり前のように続けていました。今思えば、よく続いていたなと自分でも驚いてしまいます。50代に入ったあたりから、その方法では明らかに体がついていかなくなりました。
そこで思い切って始めたのが、土曜か日曜の午前中に、1週間分のおかずをまとめて作り置きするという仕組みです。最初は2時間以上かかってしまい「これはちょっと辛いかも」と感じましたが、段取りに慣れてくると、2時間弱で1週間分のおかずが揃うようになりました。何より「平日は温めるだけ」「炒めるだけ」になるという安心感が、想像以上に心の余裕をくれるのです。
週末2~3時間で1週間分。基本のメニュー構成
私が作り置きで意識しているのは、「主菜2~3品、副菜3~4品、汁物の素1種類」という構成です。たとえば先週の土曜日は、こんなラインナップでした。
主菜は、鶏もも肉の照り焼き、豚肉と大根の煮物、鮭の塩麹漬け焼きの3品。副菜は、ひじきの煮物、きんぴらごぼう、ほうれん草の胡麻和え、人参のラペの4品。汁物用には、なすと玉ねぎを多めに煮ておいて、平日に味噌を足せば味噌汁になる「だし煮」を仕込んでおきます。これだけ揃っていれば、平日はかなり気が楽になります。
味噌汁は毎朝作ってるので、味噌汁の具になる野菜は切って冷凍しています。例えば、油揚げ、しめじ、えのき、ネギ、キャベツ....
少し手間を加えるだけで、美味しいご飯がいただけます。
平日はこの中から、その日の気分で組み合わせるだけ。冷蔵庫から出してレンジで温めて、ご飯と一緒にお皿に並べる——これだけで、そこそこの手作り感のある夕食が完成します。「自分で作った安心感」と「温めるだけの手軽さ」の両方が手に入る、本当にありがたい仕組みだと思っています。
両親の好みに合わせる、味付けと量の工夫
高齢の両親と一緒に食べるので、味付けは薄味を基本にしています。塩分は控えめにして、出汁の旨味と少量の醤油で味を決める。最初は物足りなく感じることもありましたが、慣れてくると素材の味がよく分かるようになって、私自身もこの薄味が好きになりました。
量も、若い頃のレシピのまま作ると確実に余ります。両親が食べる量は意外と少なく、「半分にしたほうが良かったかも」と思うことが今でもあります。最近は、レシピの2/3量で作って、それでも余ったら小分けにして冷凍に回す、というやり方に落ち着きました。
私のお弁当のおかずにもなります。
歯ごたえや噛みやすさにも、自然と気を配るようになりました。父は固いものが少し苦手なので、根菜は気持ち長めに煮る。お肉は薄切りやひき肉を多めに使う。こうした小さな工夫の積み重ねが、「美味しいね」の一言につながると思うと、ちょっと手間をかけた甲斐があるなと感じます。
保存と温め直しを、家族が自分でできる仕組みに
作り置きの良いところは、「私がいなくても、家族が自分で食べられる」ことだと思っています。これは介護と仕事の両立にとって、本当に大きな意味があります。私が急に残業になっても、両親が自分で温めて食べてくれる——この一点だけでも、心の負担が随分と軽くなるのです。
保存には、中身が一目で分かるガラスの保存容器を使っています。蓋にマスキングテープで「ひじき 5/3」と日付を書いて貼っておけば、両親が冷蔵庫を開けたときに「これは食べていいやつだ」とすぐ分かります。新しい順に手前に並べておくのも、地味ですが意外と効きます。
温め直しの仕組みも、少しずつ整えてきました。電子レンジの「自動あたため」ボタンの使い方を父に説明して、何度か一緒にやってみる。最初はおっかなびっくりでしたが、今では一人で温めて昼食を食べてくれるようになりました。「自分でできる」という感覚を持ってもらえることが、両親の元気にもつながっているような気がします。
電子レンジは、ここを押せば温められるとわかるように、シールを貼っています。
70歳過ぎた頃に、ガスレンジをIHに変えました。これは早いうちに変えておいてよかったなと思います。
完璧を求めない。「手抜きOKの日」もちゃんと作る
ここまで読んでくださって、「すごく頑張ってるな」と感じた方もいるかもしれません。でも正直なところ、毎週きっちり作り置きできているわけではありません。月に2~3回は、「今週はもう無理!」という週がやってきます。
そんな週は、潔く宅配惣菜やスーパーの総菜コーナーに頼ります。最近の宅配惣菜は本当に美味しくて、塩分計算までしてくれるサービスもあるので、罪悪感なく頼ることができます。「手を抜く日も、ちゃんと組み込まれた仕組み」にしておくと、長く続けやすいんですよね。
それから、月に一度くらいは外食する日を作るようにしています。両親と近所のお気に入りの和食屋さんに行って、誰かが作ってくれた美味しいものを家族で食べる時間。これは食事という以上に、「いつもの台所から離れる時間」として、私自身のリセットにもなっています。
両親もたまの贅沢に嬉しそうです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。介護と仕事の両立で、毎日の食事の準備に疲れている方は、本当にたくさんいらっしゃると思います。「毎日きちんと作らなきゃ」という気持ちを少しだけ手放して、「週末にまとめて作って、平日は楽する」「無理な週は外注する」——この発想を取り入れるだけでも、きっと毎日が少し軽くなるはずです。
私たちが本当に大事にしたいのは、料理を完璧に作ることではなくて、家族で同じテーブルを囲んで「美味しいね」と言い合える時間そのもの、なのではないでしょうか。今日も、自分のペースで、ぼちぼち続けていきましょう。