コラム 看護師

親の介護と仕事、どう両立してる?50代ナースの1日スケジュール

本ページはプロモーションが含まれます。

「毎日どうやって回してるの?」と同僚に聞かれることがあります。両親の介護、孫のサポート、フルタイムの仕事、家事全般——。外側から見ると、かなりの量に見えるのかもしれません。でも当の本人は、「こんなもんですよ」と笑って答えているのですが、実際のところどうなのか、今日は一日の流れをそのまま正直にお話ししてみようと思います。

57歳で地域医療連携室に勤め始めてまだひと月少しの私が、親の介護と仕事をどう両立しているか——。もし同じように悩んでいる方の参考に少しでもなれば、嬉しいです。

朝は6時、家族の顔を見ながら一日が始まる

平日の朝は、6時に起きるようにしています。両親は朝型なので、私より先に目を覚ましていることも多く、すでにリビングでテレビを見ていたりします。「おはよう」と顔を見て声を掛け合うのが、我が家の一日の始まりです。

朝食の準備は、週末にまとめて作り置きしたものを並べるだけ。ご飯は炊飯器のタイマーで自動的に炊き上がっています。両親はお味噌汁が好きなので、野菜たっぷりの味噌汁を作っています。あとはヨーグルト。ヨーグルトに食べやすく刻んだイチゴやバナナを乗せて、毎日出しています。
「これぐらいは自分でできる」と言って食べた後の食器は、両親が洗ってくれます。
できることは、無理のない程度にお願いしています。

8時15分ごろに家を出て、通勤は自転車で10分ほど。こんなに働きやすい環境はないですね。以前の病院勤務の時は、電車で45分ほどかかって通勤していました。今は30年ぶりの自転車に乗りながら、爽やかな風に気持ちよさを感じながら通勤しています。

週末の作り置きが、平日の私を救ってくれる

介護と仕事の両立で私が一番助かっているのは、週末にまとめてやる「作り置き」の習慣です。土曜か日曜の午前中、2~3時間かけて1週間分のおかずをまとめて作り置きしておく。それだけで、平日の夕食の準備は「冷蔵庫から出して温めるだけ」「炒めるだけ」になります。

作り置きのコツは、「手を加えなくてもそのまま食べられるもの」を中心に作ること。冷奴に合う煮物、ごはんに合うそぼろ、食べ応えのある根菜の炒め煮——両親が好きなものを中心に3~4品作っておけば、平日は組み合わせるだけです。

看護師として働いてきた年数分だけ、人の「食べる力」の大切さを知っているつもりです。だからこそ、忙しくても両親の食事だけは手を抜きたくないと思っていました。でも完璧を求めすぎると続かない。「自分で食べてもらえる状態を整えること」が、私にできるベストな形だと気づいてから、少し楽になりました。

仕事中も「家のこと」が頭をよぎる日は、あります

仕事中は仕事に集中しているつもりですが、ふとした瞬間に「お父さん、今日薬ちゃんと飲んでるかな」とか「お母さん、昨日の膝の調子はどうだろう」という思いがよぎることがあります。両親は携帯電話を使用していませんから、連絡は家電。スマホを使えていたら、ラインですぐ確認できるのに...なんて思うこともあります。

「今日はお花を眺めてたよ」とか「お昼はうどんにした」とか、短い返信が来るだけで、ぐっと安心できるのでしょうが、まぁ仕方ないですね。

もちろん、そう上手くいかない日もあります。父が転んでしまったり、母の血圧が上がってかかりつけに行く必要が出たり。そういう時は、近隣の人に頼んでいます。ご近所も高齢の人が多いので、困った時にはお互い様って感じです。
また、域医療連携室は中高年の女性スタッフ多いためか、「家族のことは大事にしてください」と言ってもらえる雰囲気には、本当に救われています。

夕方帰宅してから就寝まで

17時30分に退勤して、帰宅するのは18時ごろ。まず玄関を入ったら両親に「ただいま」と声を掛けて、顔と体の様子をさっと確認します。これが看護師の習も性というか、「状態観察」が自然と体に染み込んでいるのだと、いつも苦笑いしています。

夕食は作り置きを温め直して、3人でテーブルを囲みます。この時間が、一日で一番ほっとする瞬間です。父が今日見たテレビの話をして、母が近所の花の話をして、私は職場で面白かった話を一つ持ち帰る。たわいのない会話が、介護という言葉では収まらない、ただの「家族の夜ごはん」になっています。

ほんと、両親ぐらいの年齢の人は、朝ごはんの時間も早いですが、昼は12時、夕ご飯も18時ごろと決まっています。規則正しいですね。

食事の後は、両親が寝る前に薬の確認をします。これが夜の「ルーティン」として定着しました。10分かからない作業ですが、毎日続けることで体調の変化に気づきやすくなっています。21時ごろには両親が就寝するので、そこからが私の時間です。お茶を飲みながら、録画しておいたドラマを見たり、今日あったことをノートに書いたり。長くは取れなくても、「自分だけの1時間」があると、翌朝の元気が全然違います。

「自分の時間ゼロ」にならないための、小さな工夫

介護と仕事の両立で一番怖いのは、「自分の時間がゼロになること」だと思っています。心の余裕がなくなると、小さなことでイライラしてしまったり、両親に当たってしまったり。私はかつてそれで失敗した経験があるので、今は意識して「自分の時間」を確保するようにしています。

ひとつ目は、通勤の10分を「自分だけの移動時間」として使うこと。今までは自転車に乗ることもなかったですが、乗ってみると、いつも通る道に咲いている花や、心地よい風が気持ちよかったり、気分転換になります。

ふたつ目は、月に一度は寺社を訪ねること。西国三十三所の巡礼を続けているのですが、歩いて手を合わせて、線香の煙の中でぼんやりする時間が、心のリセットに効くのです。介護も仕事も全部背負ったまま境内に入って、少しだけ手放してくる感じ、と言えばいいでしょうか。

みっつ目は、「完璧を求めない日を作る」こと。スーパーの惣菜にしたり、冷凍食品を使って作る日もあります。「手を抜いていい日」と決めると、むしろ気持ちよく手が抜けるのですよね。

ここまで読んでくださってありがとうございます。「すごい、よくできますね」と言ってもらうことがありますが、私はただ、目の前のことを一個ずつこなしているだけです。「介護と仕事を両立している」と聞くと、何か特別な方法があるように思われるかもしれませんが、私がやっているのは地味で小さな工夫の積み重ねだけです。それでも、「今日もなんとかやれた」と感じられる一日を続けていけること——それが、今の私の目標です。

もしあなたも、介護と仕事の両立に疲れを感じているなら、「もっと上手くやらなければ」という気持ちを、少しだけ手放してみてください。完璧じゃなくていい。続けられる形で、今日も一日、いっしょに乗り越えていきましょう。

https://kiyotaka-ns.com/tsukurioki-shokuji-jutsu/

  • この記事を書いた人

きよたかナース

職業はフリー看護師。18年間飲食店経営。40歳から看護専門学校に入学し、43歳で看護師になる。がん専門病院に勤務し、循環器・脳外科・血管外科・消化管内科経験あり。特別病床担当。老健、クリニック経験あり。 50歳をこえると、フルタイムの働き方は体力的にもつらくなります。 プライベートと仕事を両立しながら、自由な働き方ができる看護師が増えればいいなと思い、看護師の転職や働き方について発信しています。

-コラム, 看護師
-