看護師

50代からのデジタル術——苦手意識がなくなった私のパソコン・スマホ活用法

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地域医療連携室で鍛えられた、ゆる~いIT活用のすすめ

「パソコン、正直まだよくわからなくて……」地域医療連携室に着任した最初の週、私はそう呟きながらキーボードを前に固まっていました。病棟では電子カルテへの入力はありましたが、Excelでファイルを管理したり、Outlookでメールを一日中やり取りする仕事とは無縁でした。スマホだって、LINEと写真だけなんとか使えればいい、というレベルです。病棟では当たり前にカルテ記事の入力はできましたが、時短術となると無縁で、新卒で入ってくる人の方が電子カルテになれるのが早く、仕事を教えながら自分の仕事を後回しにして、帰るのが遅くなる日が続いていたのを懐かしく思えます。

そんな私が今は、外来の患者さんの退院調整データを表にまとめ、関係機関へメールで連絡を取り、スマホのカレンダーで家族の予定と仕事の予定を一元管理しています。「どこで覚えたの?」とよく聞かれますが、答えはシンプル。「ゆっくりと、ちゃんと、あきらめなかっただけです」。そして毎日続けることです。毎日していると、慣れてきます。

この記事では、苦手意識の強かった私が50代でデジタルに慣れていった道のりを、具体的な道具やちょっとしたコツとともにお伝えしたいと思います。同世代のナースの皆さんに、少しでも「私にもできそう」と感じてもらえたら嬉しいです。

そもそも、なぜ地域医療連携室でパソコンが必要になったか

病棟では「記録は電子カルテに入力する」という業務が中心で、それ以上のPC操作はほぼ必要ありませんでした。もちろん、委員会の資料作りや、研究発表の時にはパソコンと睨めっこの日々が続きますが、その時ぐらいです。ところが地域医療連携室では、業務の多くがパソコン上で完結します。退院支援の計画書、施設への紹介状の下書き補助、会議用の資料づくり、関係機関との連絡メール。初日にメールソフトの画面を見たとき、「こんなにフォルダがあるの……?」と軽くパニックになったのを覚えています。こんなことを毎日続けるの?と、思いましたが仕事ですから、嫌でも慣れてきますよね。

私はこうでした——入職して最初の2週間は、同僚が操作するのを横で見ながら、メモ帳に手書きでメモを取っていました。恥ずかしいかな、と思ったけれど、「手書きしてでも覚えようとしている」という姿勢を見て、同僚たちがかえって丁寧に教えてくれるようになりました。「わからなかったら聞く」を続けていたら、1か月後には一通りのメールが自分で送れるようになっていました。

苦手を克服した道具①——ショートカットキーの「3つだけ」覚え作戦

最初に「これだけ覚えれば仕事になる」と教えてもらったのが、ショートカットキーです。CtrlC(コピー)、CtrlV(貼り付け)、CtrlZ(元に戻す)の3つ。それだけで作業スピードが体感で23割は上がりました。

「全部一気に覚えなくていい」——これが50代のデジタル習得に大切なことだと感じています。10個一気に覚えようとすると全部混乱する。でも3つだけなら、1週間で指が動くようになります。慣れたら次の3つ、という積み上げ方が私には合っていました。

私はこうでした——CtrlS(上書き保存)を覚えた日から、書類を作るたびにこまめに保存するくせがつきました。以前は「あ、保存してなかった……」で何度も泣いていたので、これだけで仕事の安心感がまったく違います。

ショートカットキーを毎日使っていくと、自然に覚えます。とても便利です。マウスを触ることなく、仕事が進んでいくって感じです。

苦手を克服した道具②——スマホのカレンダーアプリで家族と仕事を一元管理

もう一つの大きな変化が、スマホのカレンダーアプリの活用です。以前は手帳に全部書き込んでいたのですが、自分の仕事予定と親の通院日が重なりはじめてから、手帳では追いつかなくなりました。

娘に教えてもらってGoogleカレンダーを使い始めたのですが、最初は「どこに予定を入れるの?」という状態。でも「色分け」の機能を使うようになったら一気にわかりやすくなりました。仕事は青、家族イベントはオレンジ、親の通院はピンク——自分でルールを作るだけで、1週間の見通しがひと目でつかめるようになったんです。

私はこうでした——カレンダーをスマホに入れてからは、「今日は、父の受診日だった」という事態がなくなりました。前日に明日の予定が表示されるのも仕事の休みの申請も前もってできるようになって、同僚にも迷惑をかけにくくなりました。手帳より、圧倒的に「先が見える」感覚があります。

苦手意識が薄れてきたのは「小さな達成感」の積み重ね

「苦手を克服した」というより、正確には「苦手が怖くなくなった」という感覚です。最初は操作するたびに「間違えたらどうしよう」「壊したらどうしよう」と怖くてしかたなかったのですが、何度かやっているうちに「あ、間違えても元に戻せる」「壊れない」という実感が積み重なっていきました。

特に、誰かの役に立ったとき——Excelの表、見やすくなりましたね」と言われたとき——は、苦手だったはずのパソコンが、急に友達みたいに感じられました。道具は「使えると便利なもの」というより、「使えると誰かのためになるもの」と思えたとき、覚えるモチベーションがぐっと上がります。

地域連携室で、パソコンの操作を素早くできるようになりたいと思ったのは電話対応です。電話で相手が言う患者の名前を聞き取りながら入力するとか、生年月日から調べるとか、少しお待ちくださいが、少しでは済まなかったり。相手の話を聞きながら、メモしてパソコン操作をするのは至難の業です。これもちょっとずつ慣れてきました。慣れるってすごいですよね。

50代がデジタルを学ぶときに意識してほしいこと

同世代の皆さんへ、私が経験から感じた3つのことをお伝えします。

①「全部できなくていい」を許す。
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代は新卒ではありません。業務に必要なことから順番に覚えれば十分です。「Excelのマクロ」より「よく使う関数3つ」のほうが、実際の仕事でずっと役に立ちます。

②わからないときは「実際にやってみる」。ネットの説明は難しくて挫折することも多いです。でも「とりあえずクリックしてみる」「間違えたら戻す」という繰り返しのほうが、私には向いていました。デジタル機器は思っているより壊れません。

③助けてくれる人の近くにいる。職場でも家族でも、「ちょっと聞いていい?」を気軽に言える人が一人いるだけで、学習速度が全然違います。私の場合は職場の同僚と娘がその役割を担ってくれています。「何度聞いても嫌がらない人」に感謝を忘れずに。

デジタルを使いこなすより「使われすぎない」ことも大切

最後に、少し違う角度からのお話を。スマホやPCが便利になればなるほど、「常につながっている」状態になりがちです。夜中にLINEの通知が気になったり、休日もメールが気になったり。私もしばらくそれに悩みました。

今は「夜10時以降はスマホを寝室に持ち込まない」と決めています。デジタルは道具です。使うのは人間。道具に振り回されないための「切り替えのルール」も、50代のデジタル活用には必要だと感じています。

私はこうでした——スマホを遠ざけた夜は、睡眠の質が上がるような気がしています。寝る前ギリギリまでスマホを見て寝落ちする。こんなことをしていたら、疲れが一向に取れないです。デジタルを手放す時間も、大切な暮らしの一部だと思っています。

「デジタルが苦手」でも、必要なことからゆっくり覚えれば、50代でも十分使いこなせます。焦らず、3つずつ、そして誰かの役に立てることを見つけながら。同世代の皆さんにとって、この記事が少しでも「やってみようかな」のきっかけになったら嬉しいです。

次回予告

次回は「老後のお金のこと、今から何をしておけばいい? 50代看護師が考えるシンプルな備え方」をお届けする予定です。年金・貯蓄・働き続けることのバランスについて、ファイナンシャルプランナーに相談したときの気づきも交えながら、等身大でお話しします。またここでお会いしましょう。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

40歳で看護師免許を取得。 50代で転職を経験し、現在は地域連携室で看護師事務として週4パート勤務中。 転職エージェントもハローワークも実際に使った経験から、50代ナースの転職をリアルに発信しています。 このブログでは、私が実際に経験した転職活動をもとに ・50代看護師が転職エージェントを使うときのリアルな話 ・転職エージェントとハローワーク、どちらが合うか ・介護と仕事を両立しながら働く50代の日常 などを発信しています。

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