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看護師が地域医療連携室に転職してみてわかったこと

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病棟とは全然違う仕事、57歳のリアル

「連携室ってどんな仕事なんだろう」——転職を決める前、私はそれが全くイメージできませんでした。

病棟では点滴をつなぎ、バイタルを測り、急変に対応してきた。体を使う仕事が当たり前で、「看護師の仕事」といえばそれしか知らなかった。地域医療連携室という部署の名前は聞いたことがあっても、実際に何をするのかは、外側からはなかなか見えないものです。

20264月、58歳の私は市立病院の地域医療連携室に着任しました。初日から「病棟とは全然違う」と感じることの連続でした。今回は、転職してみて初めてわかったこと——看護師の経験が活きた場面と、まったく初めてで戸惑った場面——を、できるだけ正直にお伝えします。

仕事の「軸」が変わった——動くことから、調整することへ

病棟では、体を動かすことが仕事の中心でした。患者さんのベッドサイドへ行き、処置をして、記録をして、また動く。1日に何千歩も歩くのが当たり前でした。

地域医療連携室に来て、まず驚いたのは「座っている時間の長さ」です。電話をして、パソコンに向かって書類を作り、また電話をして——。体への負担は格段に減りましたが、仕事の流れが全く別物でした。

「動いていないと働いている気がしない」という感覚が、最初のうちはありました。デスクに座りながら「これで本当に患者さんの役に立てているのかな」と思ったこともあります。でも、一件一件の退院調整や電話連絡の先に、確かに患者さんや家族がいる。それが少しずつ実感として積み重なってきました。

カルテを読む力は、ちゃんと活きていた

転職前、「看護師の専門知識がどこまで使えるんだろう」と不安でした。連携室はどちらかといえば事務的な仕事だというイメージがあって、臨床の経験が通用しないんじゃないかと思っていたのです。

でも実際には、カルテの内容を読んで理解する力、病名や処置名から患者さんの状態を想像する力は、毎日の業務で確実に役立っています。退院支援の書類を作るとき、関係機関への情報提供書を確認するとき、「これはどういう状態の方なんだろう」と読み解く場面で、看護師としての経験がそのまま使えるのです。

いろんな患者さんのいろんな生き方、考え方に触れることができ、私自身もカルテを読みながら、たくさんの経験をさせていただいている気がします。

「ああ、無駄じゃなかった」と思える瞬間が、じわじわと増えてきました。病棟で積み上げてきた年数は、形を変えて今の仕事にも生きています。

事務作業は、ほぼ全部が初体験だった

一方で、戸惑うことも正直たくさんありました。その筆頭は「事務作業」です。

私は、病院を辞めてからハローワークに行き、職業訓練でパソコンスキルを学びました。

その時には、ラベルの印刷やWordを使った文章作成なんかも教えてもらったのですが、しばらく使わないとすっかり忘れてしまうもんです。

宛名印刷、FAXの表書き、書類のファイリングルール、電話対応——。病棟では全くやってこなかったことが、連携室では当たり前のように求められます。特に最初の週は、封筒の宛名をどう印刷すればいいかすら戸惑いました。「こんな初歩的なことを聞いていいのかな」と遠慮しながら、こっそりメモを取る毎日でした。

できるだけ、何回も聞かないで済むようにとか、メモを取っても手順がわからなくなるので、パソコン操作で説明を受けた時には、その都度画面のスクショを撮って、番号をつけながら覚えたりしました。

私はこうでした——封筒の宛名を間違えてプリントしてしまい、印刷をやり直したのが着任して3日目のことです。小さなことですが、「これが積み重なったら信頼を失う」という焦りがありました。でも同僚のかたが「最初はみんなそうだから大丈夫ですよ」と言ってくれて、そのひとことにどれだけ救われたことか。

「完璧じゃなくていい、少しずつ覚えていけばいい」——それが今の私の合言葉です。

「病棟には、もう戻れないな」と思った理由

連携室での仕事に少し慣れてきた頃、ふとした瞬間に思いました。「もう病棟には戻れないな」と。

これはネガティブな気持ちではなくて、むしろ率直な気づきでした。夜勤なし、立ち仕事なし、急変対応なし。これだけ体への負担が違うと、戻ることは体力的にもう難しいと感じています。それと同時に、「あの環境でよく何十年も働いてきたな」という、過去の自分への素直な敬意も湧いてきました。

病棟でのキャリアは誇りだし、患者さんと直接関われた経験は何物にも変えられません。でも今の私には、今の働き方が合っている。それを正直に言えるようになったのは、転職して初めて気づいたことです。

転職を考えている仲間へ——「違う」ことは、悪いことじゃない

転職前の私は、「連携室の仕事が自分に合うかどうか」をすごく心配していました。でも今思うのは、「違う」ことは最初から当然だということです。

仕事の軸が変わっても、人との関わり方の経験は変わらない。看護師として大切にしてきた「この人はどういう状態か」という視点は、形を変えて今も使えている。初めて覚えることがたくさんあるのは、転職した以上、みんなに共通することです。

完璧じゃなくても、毎日少しずつ慣れていけばいい。これは自分に言い聞かせてきた言葉ですが、同じように新しい環境に飛び込もうとしている仲間にも、届けたいと思っています。初めてすることだからこそ、失敗しても当たり前、ちゃんと教えてくれる人がついてくれてる間に、積極的に覚えようとする姿勢で挑戦することが大事だと思って頑張っています。同世代の仲間として、あなたの選択を心から応援しています。

次回予告

次回は「転職したら電話が怖くなった。顔が見えない職場での、声の大切さ」をお届けします。新しい職場では院内スタッフも全員初対面。電話しながらパソコン操作する「ながら作業」の難しさや、声の印象だけで相手を把握することの大変さを、等身大でお話しします。またここでお会いできるのを楽しみにしています。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

40歳で看護師免許を取得。 50代で転職を経験し、現在は地域連携室で看護師事務として週4パート勤務中。 転職エージェントもハローワークも実際に使った経験から、50代ナースの転職をリアルに発信しています。 このブログでは、私が実際に経験した転職活動をもとに ・50代看護師が転職エージェントを使うときのリアルな話 ・転職エージェントとハローワーク、どちらが合うか ・介護と仕事を両立しながら働く50代の日常 などを発信しています。

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