転職サイト・履歴書・面接まで、実体験をもとに同世代ナースへ
「転職したい」と頭のどこかで思いながら、でも何から始めればいいのかわからなくて、毎日夜勤をこなしながらぼんやり考えていた時期がありました。インターネットで「50代看護師転職」と検索しても、出てくるのは若い年代向けの記事ばかり。「自分には関係ない話なのかな」と思ったことも、一度や二度ではありません。
あれから数年——今は地域医療連携室で働きながら、転職を経て働き方が変わった実感があります。今回は、私が実際にやってきた転職活動の流れと、「もっと早くやればよかった」と思うことを正直にお伝えします。これから転職を考えている同世代のナースに、少しでも役立てれば嬉しいです。
転職を意識し始めたのは、ある疲れた夜のことだった
病棟での夜勤明け、更衣室のロッカーに背中を預けながら「もうちょっと先が見えたらいいのに」と思った瞬間を、今でも覚えています。体力的なつらさもあったけれど、それよりも「このまま65歳まで続けられるのか」という漠然とした不安のほうが大きかった。
夜勤の休憩時間も委員会のことや勉強会の資料作り。こんなこといつまでも続けられないけど、辞めたら生活ができないし、どうしたもんだか?
私はこうでした——最初に転職サイトに登録したのは、その夜勤明けの帰り道、スマートフォンで検索しながら「とりあえず登録だけしてみよう」という気持ちでした。あのとき一歩を踏み出してよかったと、今は思っています。
私が最初にやったこと——情報収集と転職サイトの登録
転職活動の入り口として、私はまず看護師専門の転職サイトに2~3つ登録しました。総合系の転職サイトではなく、看護師に特化したサービスを選んだのは、「50代でも対応してもらえるか」「夜勤なし・外来・事務寄りの仕事を紹介してもらえるか」を相談したかったからです。
登録後、担当のキャリアアドバイザーと電話面談があります。このときに「夜勤なし希望」「体力的にラクな職場を探している」「資格を活かしながら事務的な役割もしてみたい」と正直に伝えることが大事でした。話ことで自分の考えがなんとなくまとまっていく感覚がありました。言葉にするって大事ですよね。自分では選ばないような選択肢を教えてくれたのも、この担当者との会話がきっかけでした。
ハローワークも並行して利用しました。地元の求人が充実していること、相談員に「50代の転職事情」を教えてもらえることがメリットです。ただ、看護師資格を活かした専門的なマッチングは、やはり専門サイトのほうが強いと感じました。両方を使い分けるのがおすすめです。ちなみに地域医療連携室の仕事は、ハローワークの案件でした。
転職エージェントの選びかたも参考にしてください。
履歴書と職務経歴書、どう書けばいい?50代ならではのポイント
30年近いキャリアを2枚の書類にまとめるのは、正直なところ難しかった。「何を書けばいいんだろう」と思いながら最初の1枚を書き上げるのに、週末まるごと使ってしまいました。
正直この歳になって、履歴書を書くなんて思っていませんでした。しんどいけど、病院で定年まで働くんだろうなと思っていたので。
いざ履歴書を書こうとしても、年号と西暦がごっちゃになって、調べるのに時間がかかったり、大変でした。
履歴書と職務経歴書の書き方は、ハローワークでも教えてもらえます。面接の練習も。
【看護師転職】自己PRの書き方!履歴書や面接で使える例文と作成のコツ5選
コツは「全部書こうとしない」こと。50代の強みは経験の豊富さですが、書きすぎると読む側に伝わりにくくなります。応募する職場で活かせる経験に絞り込んで、「私はこんな場面でこう動いた」という具体的なエピソードをひとつかふたつ入れるとぐっと読みやすくなります。
私はこうでした——職務経歴書のなかで、在宅療養中の患者さんの転院調整を担当した経験を一段落にまとめました。「地域連携のサポートをした経験があります」と一言で終わらせず、「主治医・ソーシャルワーカー・施設担当者との連絡調整をし、退院までの書類手配を行いました」と書き直したところ、面接で「詳しく教えてください」と質問が来て、話が広がりました。
面接で一番緊張した「志望理由」の伝え方
面接でいちばん苦労したのは、「なぜ病棟を辞めたいのですか」という質問でした。「体力的につらくなった」という本音を言うべきか、言わないほうがいいのか、ずいぶん悩みました。結局、正直に孫が生まれるので、夜勤があると病棟での勤務は難しいと思ったことを伝えました。
結論から言うと、「体力的な理由」は隠さなくていいと思っています。ただし、言い方を工夫することが大切。「夜勤がしんどいから辞めたい」ではなく、「長年の経験を活かしながら、持続可能な働き方に移行したいと考えました。看護師として得た知識を、直接患者さんと関わる場面とは違う形でも役立てたい気持ちがあります」と伝えると、ネガティブな印象を与えにくいです。
私はこうでした——「患者さんの在宅復帰を、現場の外からも支えたい」という言葉を志望理由に盛り込みました。地域医療連携室への応募だったので、これが「病棟側の視点を持った人材を求めていた」という面接官の言葉と重なり、好印象につながりました。
やっておけばよかった3つのこと
転職してみてから気づいた、「もっと早くやればよかった」ことを3つだけ正直にお伝えします。
①転職サイトへの登録は「辞めると決めてから」ではなく「迷っているうち」に。登録するだけなら無料ですし、情報収集にとても役立ちます。「まだ迷っている」という段階でもキャリア相談を受け付けてくれます。私は「辞めてから焦って登録」したので、じっくり考える時間が足りなかったと感じています。
②応募先のリサーチをもっと丁寧にやればよかった。ホームページ・口コミサイト・同職種の知人への聞き込みなど、入職前にできることは意外と多い。転職後のミスマッチを減らすためにも、情報を多方面から集めることが大切です。
③「給与ダウンへの備え」を事前に計算しておくこと。夜勤手当がなくなると、基本給が同じでも手取りは大きく変わります。生活費の試算と貯蓄の確認を、転職活動と並行してやっておくと安心です。次回はこのお金まわりの話を詳しくお伝えしようと思っています。
「転職したいな。このままこの仕事をいつまで続けられるだろう。」と考えだしたら、転職を視野に入れてください。求人サイトを見ているうちに、この病院はいつも募集をかけているとか、給料の相場みたいなのがわかってきます。基本給の高くて給料が高いところや、基本給が低くて手当で給料が高くなっているところなんかも見えてきます。ボーナスのことを考えると、基本給が高い方が良いですよね。
転職活動は「準備」で8割決まる
転職活動を振り返って感じるのは、「準備の質が結果を左右する」ということです。書類の完成度、自分の言葉で語れる志望理由、応募先への理解——どれも一夜漬けでは難しい。でも、少しずつ丁寧に準備すれば、50代でも十分戦えます。
看護師として積み上げてきた経験は、ちゃんと「言語化」さえできれば大きな武器になります。「私なんてもう年齢的に……」と思う必要はありません。経験のある看護師を必要としている職場は、確実に存在しています。
私はこうでした——転職が決まったとき、「面接官に「現場の経験が豊富な方に来ていただけて嬉しい」と言っていただけました。あのとき、「経験は恥ずかしいものじゃない」と初めてはっきり思いました。同世代の仲間たちにも、ぜひそう感じてほしいと思っています。
次回予告
次回は「転職したら収入はどう変わった?50代看護師のリアルなお金の話」をお届けします。夜勤手当がなくなった分の収入ダウン、どう乗り越えたか。家計の見直しや固定費の削減など、私が実際にやったことをお伝えする予定です。またここでお会いできるのを楽しみにしています。