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転職したら電話が怖くなった。顔が見えない職場での、声の大切さ

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57歳ナースのリアルな電話対応奮闘記

電話が鳴るたびに、ちょっとだけ緊張する。

病棟で働いていた頃は、電話への苦手意識なんてほとんどありませんでした。かかってくる相手は同僚や他部署のスタッフ、顔も声も知っている人ばかり。「お疲れさまです」から始まる会話は、自然と流れていました。

でも、転職して地域医療連携室に来てから、電話が少し怖くなりました。相手の顔が見えない。どんな立場の方なのか、最初はわからない。電話を受けながらパソコンで情報を調べるという「ながら作業」も、最初はてんやわんやでした。今回は、新しい職場での電話対応で感じたリアルと、少しずつ乗り越えるための工夫をお伝えします。

転職すると、院内スタッフが全員「初対面」になる

これは転職前には想像できなかったことです。同じ法人内の異動ならある程度顔なじみの人もいますが、全く別の病院へ転職した場合、院内のスタッフは100人いれば100人が初対面です。

名前と部署と顔を一致させるのに、数週間かかりました。ようやく2ヶ月ですが、地域医療連携室にいる人の名前がなんとかわかるようになりましたが、顔と名前が一致しません。それでもリアルで会っている分にはなんとかなる。でも電話は別です。「○○科の△△ですが」と言われても、最初のうちは「どのくらいの立場の方なのか」「どんな雰囲気の方なのか」が声だけではつかめない。

私はこうでした——着任して最初の週、医師から直接電話がかかってきたとき、相手が医師だと気づいたのが会話の途中でした。最初から「先生」と呼べていなかったことに後から気づいて、しばらく落ち込みました。些細なことかもしれませんが、新しい職場でのこういう積み重ねが、最初はじわじわとこたえます

電話しながらパソコン——「ながら作業」の難しさ

連携室では、電話を受けながらカルテを開き、必要な情報を確認し、メモを取る、ということが日常的に求められます。

その前に、相手の施設名と名前を聞くのに、一苦労です。

「〇〇病院の〇〇です。」〇〇訪問看護ステーションの....。聞き取れない。返事しながらメモを取ってる間に名前を忘れる...。

病棟でも「ながら作業」はありましたが、体を動かしながら同僚と話す、という感覚とは全く違います。電話口で相手の話を聞きながら、同時にパソコンで患者さんの情報を探し、答えを返す——これが、本当に難しい。まずは患者さんの名前、生年月日を聞いて、カルテを開く。これが必須です。

焦ると指が止まる。指が止まると沈黙が生まれる。沈黙が生まれると焦りが増す——という悪循環に、何度かはまりました。「少々お待ちください」と言える勇気をつかむまでに、1週間かかりました。でも一度「待ってもらっていい」と気づいたら、ずいぶん楽になりました。

声の印象だけで相手を把握するということ

顔が見えない電話では、声のトーンや話し方が相手のすべてです。穏やかな声なのか、急いでいる様子なのか、困っているのか——

病棟にいた頃、患者さんの表情や体の動きから状態を読み取る感覚は自然と身についていました。連携室では、その読み取りが「声」に集中します。慌ただしそうに話している方には短く、丁寧に。ゆっくり話している方には、こちらも落ち着いたトーンで。そういった「合わせる力」が、電話対応では特に大切だと感じています。

声に集中することで、逆に相手の気持ちをより丁寧に感じ取れることもあります。看護師として積み上げてきた「人の状態を読む力」は、電話越しでも通用するのかもしれない——そんなことを、最近少しずつ感じています。

私が実際にやっている、電話対応を乗り越えるための小さな工夫

うまくいかない日もまだたくさんありますが、少しずつ取り入れてきた工夫をご紹介します。

一番初めにメモ書きしたことは、自分を名乗るために「市立〇〇病院、地域医療連携室の〇〇です。」を電話からみえる位置に付箋に貼りました。笑えるでしょ。言えるようで言えなかった自分を名乗ること。一番最初に出た電話は、ほんとひどかったです。かみかみで何を言ってるんだか、自分でもびっくりするくらい緊張して言葉が出てきませんでした。

それから、手元に「よく連絡をとる部署・担当者リスト」を手書きでまとめました。電話番号と担当者名、よく使う用件をひと目で確認できるようにしたものです。これがあるだけで、焦りがかなり減りました。

次に、電話中に「少々お待ちください」と言うことへの罪悪感を手放したこと。待たせることは相手への失礼ではなく、正確な情報を伝えるために必要な時間だと考え直しました。

最後に、電話が終わったあとに「何が難しかったか」を短くメモすること。同じ場面で次回は少しスムーズに動けるように、失敗を記録に変える習慣です。完璧じゃなくていい。毎日少しずつ慣れていければ、それで十分だと思っています。

顔が見えないからこそ、声を大切に

電話対応の難しさは、きっと私だけが感じていることではないと思います。転職や異動で新しい職場に入った人なら、多かれ少なかれ似たような壁にぶつかるのではないでしょうか。

顔が見えないからこそ、声のトーン、言葉の選び方、「少し待ってもらうこと」への勇気——そういう小さなことが積み重なって、信頼になっていく。そう信じて、今日も受話器を取っています。

新しい環境に飛び込んでいる同世代の仲間へ。うまくいかない日があっても、焦らなくていい。声を丁寧に使いながら、少しずつ慣れていきましょう。

次回予告

次回は「パソコン操作を少しだけ効率化したら、仕事がぐんとラクになった話」をお届けします。単語登録、ショートカットキー、よく使うファイルのピン留め——50代でも今すぐ始められる小さな工夫をまとめます。またここでお会いできるのを楽しみにしています。

  • この記事を書いた人

きよたかナース

40歳で看護師免許を取得。 50代で転職を経験し、現在は地域連携室で看護師事務として週4パート勤務中。 転職エージェントもハローワークも実際に使った経験から、50代ナースの転職をリアルに発信しています。 このブログでは、私が実際に経験した転職活動をもとに ・50代看護師が転職エージェントを使うときのリアルな話 ・転職エージェントとハローワーク、どちらが合うか ・介護と仕事を両立しながら働く50代の日常 などを発信しています。

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